2014年3月14日付のJ-CASTニュースによると、中部大学工学部教授で「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」(洋泉社)などのベストセラーがたくさんある武田邦彦氏が、「STAP細胞」の論文に複数の不正が指摘されている小保方晴子理化学研究所ユニットリーダーに対して、3月13日にCBC(中部日本放送)の情報番組「ゴゴスマ-GO GO!Smile!-」の中で、
「画像が間違っていたのなら「眠たかったからと言えばいい」、海外論文の流用は「日本人が下手な訳で書くよりいい」などと独自の持論を展開した」
ことを報じていた。
記事では、武田氏が、
◇画像転用疑惑について
→「目が霞んでいていいんです。そんなところを厳密にしたら日本の若い人が論文を出せなくなる。国際的にものすごく遅れる」と発言した
◇小保方氏が早稲田大学に提出した博士論文で20ページにわたる「コピペ」指摘について
→「全然いいんですよ。第一そんなやつ持ち出すなと。人間は過去までほじくり返したら、色んなことがある」
→((コピペは)幹細胞の基礎知識を説明する部分で)「これ著作権がないんですよ。(科学の)事実は誰が書いても同じなんです。だから、彼女の20ページは世界中のだれが書いても同じ文章になる」
→「アメリカ人が書いたやつを持ってきたほうが、日本人が下手な訳で書くよりいいんです」と、コピペを歓迎した
という。
武田博士は、研究者としては事実上第一線を退き、ここ数年は、「ホンマでっかTV」の名コメンテイターとして、「文化人タレント」としての側面が強いので、テレビの情報番組ということもあり、多少、世間向けに面白おかしく語っている部分はあるだろう。
しかし、わたしも、理科系の修士論文を執筆した自らの経験と照らし合わせて考えれば、小保方さんをかばうわけではないが、コピペが指摘されている部分は「研究の背景説明」であり、目的が似た研究をしていれば、「誰が書いても同じような文章になる」というのはよく理解できる。
もちろん、「論文執筆のルール」としては「引用した場合は出典を明らかにする」というのは大原則ではあるので、小保方さんの論文はミスか意図的なのかは別にして「結果からすればアウト」である。
しかし、イメージとしては「専門用語の定義を説明」する場合、「公の機関が明確にした説明文」を「引っ張ってきて自分の文章にすること」はある。
理化学研究所の理事長でノーベル化学賞受賞者の野依良治氏がバリバリの研究者だった頃は、参考とする論文や文章があったとしても「紙媒体」であるから、「よその文章を参考にして自分の文章表現」とすれば、一言一句同じになることはないし、おそらく、「引用文献」を明示しなくても誰からも怒られることはない。
しかし、今の時代は、電子媒体で文章がネットからも見られる時代なので、「参考文章をそのままコピペする」と、特にコピペは、英語表現なので、「編集部分が少なくそのまま使用」となり、「無断引用」と言われてしまう結果になったのだ。
それにしても、小保方さんに「早く記者会見を開いて本人の口から説明させよ」とコメントするコメンテイターが多いのは驚きだ。
小保方さんが世間に姿を現すのは、理化学研究所の調査結果が全て発表されたあとでいい。
中途半端な状態で、鵜の目鷹の目の記者と世間に囲まれれば、また、言葉尻を捉えられ、あらぬ方向に事実が持って行かれて、下手をすると興味本位でいろいろな些細なことまでほじくり返され、彼女の研究者としての将来性が完全に奪われることになるだろう。
小保方さんのグループからすれば、他の研究者が入り込んでくることは望ましくない状況かもしれないが、早々に「第三者の実験結果を再現する研究者」が現れて、「STAP細胞」そのものの信頼性は損なわれないことを願いたい。
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