ご存知の方も多いと思うが、経営用語で「選択と集中」(Selection and Concentration)という考えがある。

この考えは「自社の得意な事業領域を明確にし経営の資源を集中的に投下する戦略」をさす。


この戦略の背景には、

◇企業は人、モノ、金、情報の4つの資源を事業に投入して事業活動を行っている

◇これらの資源を効率的に投資して多くの利益をあげることが経営である

◇経済が右肩上がりの時代には、効率というよりもこの資源を大量に、そして各方面に投入して事業を拡大できた

◇しかし、経済が飽和してくると拡大領域は少なくなる

◇顧客の価値観も多様化していて、企業は選択と集中が求められている

ということになる。


話は少し逸れますが、今回のソチ五輪では、自国開催以外の冬季五輪では最多の「メダル8個」を獲得したので、一般的には「日本選手団は大活躍した五輪」と言われている。

しかし、この「メダル8個」の陰には、「選択と集中」があったのだ。


基本的には各競技団体(例:スキー連盟やスケート連盟など)の強化費予算は、縮小している。

そこで、世界選手権やワールドカップクラスの大会で表彰台に上がったことのある競技は、強化選手特Aとして、海外遠征やトレーニングなどの活動費を厚く支援した。

しかし、そうでない競技は、どんどん削ったのである。


スキーのフリースタイルやスノーボードのハープパイプのメダル獲得は、「選択と集中の成果」とも言えるだろう。

しかし、このことで、たとえば、日本でトップになっても、活躍が見込めないため、五輪に出られない種目も今後出てくるだろう。

「競技環境を整えるためには強くなればいい」のであるが、強くなる以前に資源が投下されないから強くならない→その競技の認知度が上がらない→競技を目指す人がいなくなる、という悪循環である。


限られた予算の中で、メダリストを多く生む方法論としては「選択と集中」がいいのかもしれない。

しかし、スポーツに限らず、多様な価値観を受け入れる土壌があるのが日本の良さである。

五輪種目なのに、見捨てられる種目と嘱望される種目の区分けが明確になり、見捨てられた種目が文化として、日本から消えていってしまうことも、避けるべき事なのかもしれない。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ374号より)



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