マネジメント用語に「是正処置」と「予防処置」という言葉がある。

もちろん、日本語としても、比較的よく耳にする言葉なので、関心がある人も多いようで、先日も、昔の友人と飲んでいる時に(相手は少々酔っぱらっていた)「是正処置と予防処置についてカンタンに説明してよ」と言われた。


その時は、旧友だったことと「酔っ払っているからまともな会話をしてもしょうがない」という判断が働き、さらに面倒くさいなぁという思いもあり「是正処置は再発を防止するためにとる処置、予防処置は発生を未然に防止するためにとる処置のことだよ」と軽く説明して「終了」させちゃいました(笑)。


後日、国語辞典で「是正」と「予防」について調べると、

◇是正:悪い点や不都合な点を改め正すこと

◇予防:悪い事態の起こらないように前もってふせぐこと

とある。

これでは、一般的には「不具合が起きてしまった後の処置か、起きないように防ぐ処置の違いだな」と「なんとなく・・・」の理解になってしまう。


また、ニュースで(以下は架空の例え話しです)、

「本日、東京都の某商業施設の業務用のエレベーターが、扉が閉まっていないのに、突然上昇するという事故が発生しました。ケガ人は幸い発生しませんでしたが、事故原因を調査したビル管理会社によると、エレベーターの制御プログラムに一部不備が見つかり、ただちに是正処置を実施しました、とのことです。この事故を受けて国土交通省は全国にある同型のエレベーターについて緊急点検をするように予防処置命令を各エレベーター所有者に通達しました」

というような出来事も私たちはよく耳にするので、なんとなく「是正処置の後に予防処置がある」、「是正処置と予防処置はセットもの」と考えがちです。


たぶん、それは、「是正処置と予防処置」の処置プロセスが、いずれも「問題の原因の特定、処置の決定・実施、処置の有効性のレビュー」であることも「セットもの」で考える原因でしょう。


しかし、上記の「エレベーター事故」のようなケースの予防処置は、日本語では予防処置ですが、どちらかというと「是正処置のいちプロセス(=是正処置の水平展開)」と捉える方が妥当かもしれません。

時系列とリスクマネジメントの観点で考えれば、予防処置は「現状のプロセスやシステムにおいて問題が発生するリスクを「特定し、分析し、評価し、対応する」という準備、計画段階での活動であって、つまり、問題が発生する以前段階での話です。

しかし、是正処置は、問題が起こってから行うものであるので、「是正処置→予防処置」に必ずなる訳ではありません。


もちろん、「リスク想定(特定)していなかったプロセスで問題点が発生」すれば、「リスク想定の見直し」という是正処置を実施することになるのですが、本来の予防処置は「望まない結果を想定し、プロセスを監視して、評価・分析して対処する」という日常的な活動であって、「望まない結果が発生してから予防処置プロセスが起動するものではない」と理解しておくことが妥当な捉え方といえるのでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ312号より)


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