2014213日付のダイヤモンド・オンラインが、

『三越伊勢丹ホールディングス(HD)と西日本旅客鉄道(JR西日本)が、JR大阪駅前で共同運営する「JR大阪三越伊勢丹」が失敗した理由』

について掲載していた。


記事によると、

JR大阪三越伊勢丹は、開業からわずか3年で大幅な事業縮小を余儀なくされた

33000平方メートルある売り場面積の約6割を撤去する

◇衣料品や雑貨は残し、収益性の悪いリビング関連などの売り場は縮小する

◇空いた場所に専門店を誘致し、同じ施設内にある専門店ビルのルクアとの一体的な運用を行う

◇約60億円を投じて今夏から改装に乗り出し、2015年春に再開業する予定

だという。


また、「失敗」の理由について、以下の3つを上げている。

それは、



1)オーバーストアによる競争激化

JR大阪三越伊勢丹が開業したのは20115月で、4月には大丸梅田店、201211月には阪急うめだ本店が増床し、20134月にはグランフロント大阪が開業したので、競争がより激化してしまった


2)有力テナントを集められなかった

最後発の出店だったため、集客力のある有名ブランドが大丸や阪急などに押さえられて、出店できなかった


3)売り場づくりの失敗

三越と伊勢丹の売り場が交じり合ったことで、明確な店舗のコンセプトが薄れ、魅力に欠ける店舗となった


だという。


記事を読んで感じたのは、「失敗の原因」が明らかなのに、「約60億円を投じて改修する狙いが明確に見えてこない」ということである。

「改修」の主目的は、今後の経営計画にある「衣料品や雑貨は残し、収益性の悪いリビング関連などの売り場は縮小する」と「空いた場所に専門店を誘致し、同じ施設内にある専門店ビルのルクアとの一体的な運用を行う」ための改修である。


しかし、失敗理由は、「有名ブランドが出店できなかったこと」「お店のコンセプトが薄れたこと」である。

しかし、「改修」によって、それが改善されるとは思わない。


あえて言えば、改修後の新店舗のコンセプトと売りは「百貨店と専門店を融合することで、専門店だけの集合体とは異なる魅力を引き出すこと」ということなのだろうけれど、具体的に期待される「魅力」が不明だ。

「具体的に百貨店と専門店の融合による新しい魅力」が何か、イメージせずに改修を進めたところで、顧客のニーズにあった「店舗作り」ができるとは考えにくい。

仮に、成功したとしても「たまたま」であり、成功確率はかなり低いのではないだろうか。


改修後の営業は、2015年春だという。

改修したけど、結局、撤退、という道をたどってしまうのではないだろうか。

今後に注目していきたい。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ372号より)


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