2014129日付の神戸新聞によると、

≪体の細胞に酸性の溶液で刺激を与えるだけで、人工多能性幹細胞(iPS細胞)などと同様、あらゆる臓器や組織になれる「万能細胞」を作ることに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)などのグループがマウスの実験で成功した≫

という記事を掲載していました。


記事によると、

◇作製に2~3週間かかるiPS細胞に対し、最短2日間でできる

◇成功率や使う際の安全性も高い

◇効率の良い万能細胞の作製に加え、生体内での臓器再生や細胞の若返りなど、医療の新たな応用に期待が高まる

という。


ちなみに、万能細胞には、

◇ES細胞:受精卵を壊して作る胚性幹細胞

◇クローンES細胞:体細胞の核を卵子に入れて作る方法

◇iPS細胞(山中教授が開発した方法)

◇STAP細胞(今回、新たに開発された方法)

4種類ある。

しかし、ES細胞とクローンES細胞には「倫理上の問題」が、「iPS細胞」には、遺伝子が傷ついてがん化の恐れがあり、成功率が0・1%程度と低い課題がある。


しかし、STAP細胞は、

◇万能細胞になる細胞の確率が高い

(※記事では、オレンジジュースと同程度の強さの酸性で体温に近い37度の溶液が入った試験管に、マウスのリンパ球などの体細胞を入れ、30分間にわたり刺激。75%の細胞は死んだが、生き残った25%の細胞のうち、その30%が万能細胞になった、という)

◇iPS細胞では不可能な胎盤を作製できる

◇ES細胞並みの高い増殖能力も実現できる

(※受精卵が一定分割した段階でSTAP細胞を注入し、STAP細胞だけでできたマウスも作った)

といった効率的かつ優位性の高い万能細胞なのだ。


今後は、STAP細胞の、ヒト細胞への適用と仕組みの解明を期待したい。

それにしても、注目されるのは、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)である。

まず、見た目から、小保方先生は、若くて美人さんの研究者で、「日本の偉大な研究者=男性」というイメージをまず覆した。


また、ネットで調べてみると、出身大学は早稲田大学先進理工学部応用化学科(その後同大学大学院を修了)で、入学はAO入試だという。

そして、2008年からの2年間ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授の研究室に留学し、教授とのディスカッションの中で、今回の発見につながるヒントを得たらしい。


注目したいのは「2点」あり、

1)これまでの生物学の常識にとらわれなかった点

2)独立行政法人の理化学研究所が若手に研究をさせたこと

である。


両生類のイモリは、「傷つけるなどの刺激を与えると万能細胞化して再生する」ことは知られている。

小保方先生は、「哺乳類などヒトにも応用できないか」と発想したが、この発想自体が生物学の世界では「ナンセンス」と言われたそうだ。

しかし、「絶対に、可能な方法があるはず」と考え、これまでの常識にとらわれなかったのだ。


また、理化学研究所と言えば、かつては特殊法人で、限りなく国の研究機関に近い。

このような組織で、若くしてリーダーを任せ、大学時代からの研究を継続させてくれる環境も従来まではあまりなかったのではないだろうか。


「従来の発想にとらわれない」

「将来に向けて大きな可能性のある研究を継続させて任せる研究環境」

が、日本をよりいっそう「科学立国」にするために必要なことなのかもしれない。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ370号より)


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