プロ野球に興味のない方には、わからない話かもしれませんが、2011年度のセントラルリーグの新人王(11勝11敗)である巨人沢村拓一投手といえば、「筋トレ重視」のピッチャーとして有名である。
(注:澤村と表記する場合もあるが、このコラムでは沢村と表記させていただきます)
特に「バーベル上げ」は彼が最も重視している筋トレで、240キロのバーベルをスクワットで10回持ち上げることができるという。
彼が、プロに注目され始めたのは、大学時代。
佐野日大時代は、球速も130キロ台の並の高校生ピッチャーで、中央大学に入り、元巨人の大投手高橋善正氏(当時監督)と出会ってから球速が150キロを超えるピッチャーになり、世間が注目し始めたのである。
高橋監督の教えは、「自分のために野球をする」という意識。
この考えは、「自分が良いプレーをすればチームの勝ちにつながり双方にとってプラスになる」というもので、「味方が打てないなら自分が抑えればいい」という考えにつながっている。
つまり、沢村投手は、高橋監督との出会いが自分を変えたと語っており、大学時代に球速が急激にアップしたのは、バーベル上げなど筋トレによる下半身強化と、指導者に言われるままの練習をするのではなく、「自分で考えながら練習することで他人と差をつけられる」と考えているのだ。
沢村投手の気持ちになって考えれば、田中将大投手世代で、高校時代には甲子園にすら出場できず全く注目されなかったのに、大学で球速が伸び、三振でバッターを打ちとれるピッチャーに変貌し、ドラフトでは、大注目されて、「億単位」の契約金をもらえるようになったのだから、「筋トレはオレの野球人生を変えた大成功体験の練習方法」であったはずだ。
その沢村投手が、2014年1月16日付の日刊スポーツによると、沢村投手の代名詞とも言える「バーベル上げ筋トレ」を現在、自粛しているという。
その理由は、
◇200キロ超の重量上げも、バックスクワットもピッチングの動作にはない
◇ウエートトレーニングを続けて、野球に必要な土台はしっかり作れた
◇土台が作れたこの体をいかに使い切れるかが、今一番意識するべき点
◇足りないのは(投球)技術で、筋トレによる体づくりではない
という考えがあるからだという。
この話を聞いて、わたしは、今シーズンの沢村投手は期待できる、と思った。
個人的には、大学時代の筋トレは、「この人、すげー」と思っていたが、「筋トレが趣味」という逸話を聞き、シロウトが失礼を申せば「沢村投手は、方法論が目的化してしまった筋肉バカ」と少し残念に思っていた。
しかも、投球術も「鍛え上げた下半身を武器に力任せに投げているだけで、マウンドでひとり相撲をとっている」ように見えていた。
しかし、筋トレ中心の練習をプロ入り3年間続けたけど、結果が出なかった(2011年11勝、2012年10勝、2013年5勝)ことから、
「同じことを繰り返しているようではバカでしょう」
という「気づき」を得たのである。
このことは、客観的には「ようやく底に気づいたか」と思える話かもしれないが、沢村投手の野球人生においては「筋トレで野球人生をガラッと変え人生が変わった」という強烈な成功体験を経験した人にとっては、なかなか「気づけない」ことである。
「このままではダメだし、終わってしまうな。変えるなら、今しかないと思った」
と語っている沢村投手の2014年シーズンに超注目なのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ368号より)
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