「理想論」を振りかざすつもりはないが、多くの企業を訪問していると「経営理念」を掲げている企業であっても、「実際にやっていることと理念は矛盾しているよな」というケースは多々ある。


たとえば、サービス業で「環境経営」を謳い、マネジメントシステムを導入している組織がある。

しかし、案外多くの企業が「事務所の紙・ごみ・エネルギーの削減」や「地域活動・ボランティア」程度の活動内容になっている。
本来の「環境経営」は「本業を通じた環境への取組みをすることで顧客から選ばれ続ける組織を構築すること」である。


事例を挙げれば、

◇車のディーラーであれば、「ライフスタイルに合った車種の選定」

◇損保保険の営業マンであれば「火災や事故発生を予防する情報提供」

◇飲食店であれば「栄養バランスを考慮し、食べ残しを減らすメニューの提供」

である。



しかし、「環境」を謳っている会社に限って社員の評価指標が「単なる売り上げ」だったりするから矛盾している。
上記の例に挙げた「車のディーラー」でいえば、「年間の走行距離が1000キロ未満のカーユーザー」や「セカンドカーを求めるカーユーザー」に対して「環境」を配慮すれば「大型セダンより軽自動車」を「ユーザーに合った適切な車種」としてお勧めするべきだ。

だが、仮に「お客様の予算が500万円ある」と営業マンが知ったらどうなるだろう。

間違いなく「ユーザーのカーライフスタイルに適し、環境負荷も低い軽自動車ではなく、価格が高くエネルギー効率も悪い大型セダン」を提案するだろう。


もちろん、民間企業の目的は、法規制や社会的使命といった「コンプライアンス」を満たした上での「利潤の追求」である。

したがって、現実的には「お客さまの利益よりも会社利益を優先した営業行動」を絶対に「悪」だとは思わない。

しかし、「お客さまの満足度を向上させ、社会に貢献できる企業を目指します」と経営理念を標榜しているのに、例えば、

◇病人が増えることを望む病院

◇自動車事故が増えることを望む修理工場

◇バカが増えればいいと望む学習塾

であったら、やはりおかしい。


いやいや「病人がいなくなったら医者は商売あがったりでしょ」と考えるようでは間違い。

「病気を治療する」というビジネスモデルから「病気になるのを未然防止する治療やアドバイスを施す」というビジネスモデルに発想を転換していけばいいだけだ。


理念経営を標榜している企業はたくさんあるが、まだまだ「矛盾」に対してどのように折り合いをつけていくかを「棚上げしている」企業は多い。

これを棚上げしてしまうと「社員」は「なんのために働いているのか」「やっていることはお客さまのためになっていないのではないか」「理念を追求した行動をとったのに組織で評価されない」「理念とはあくまでもタテマエだ」と感じていってしまうでしょう。

もちろん、一気に「理想形」にすることは無理であるが、「エセ理念経営」にならないよう発想を切り替えていくことが「理念経営」のポイントであろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ308号より)


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