企業訪問して、管理職にインタビューしていると「なぜ、この人が管理職を務めているんだろう??」と疑問に感じるようなシチュエーションが多々ある。
特にこの想いを強く感じる典型的な業態が「販売会社」である。
「なぜ、この人が管理職を務めているの?」と思う典型例は、
(例:ある販売会社の販売店の店長)
◇部門の課題とその解決策について、きちんとした分析能力が無い
(したがって、課題設定が感覚的で的確なものとなっていない)
◇発生している問題点について、応急処置的対応力はあるが、その恒久対策力が無い
◇管理職なのに、部下に任せず自分が動いてしまう
といった状況を目の当たりにした時である。
「わかる人はわかる」と思うが、要するに上記のような例は、簡単に言ってしまえば「管理職としての役割を管理職である本人自身が認識していない」ために発生してしまうのである。
では、「なぜ、このような人事が行われているのか?」を想像すると、
◇管理職教育が機能していない
◇本来、管理職としての資質が無い人が管理職についている
◇管理職として適任者を選定する仕組みが無い
◇営業成績抜群な「一流のプレーヤー」が「管理職に抜擢される」体制となっている
◇「一流のプレーヤー」のご褒美ポストが「管理職」しかない
といった理由であろう。
日本の会社の場合、まだまだ「一流のプレーヤー」が「管理職として人事配置される」ケースが多々ある。
もちろん、「一流のプレーヤーであり管理能力も長けている」のであれば、全く問題が無い。
しかし、たいていの場合、一流のプレーヤーは自分のことに関して分析し、さまざまな属人的ノウハウを持っていても、自部門の状況を大局的な見地で事態を把握し、適切な対応を取るといった、いわゆる管理能力が無いケースが多い。
だが、多くの企業で、「管理能力のない一流プレーヤーが管理職に就いている」ケースが多いのが現状である。
このことの弊害は、
◇部門業務が効率的に管理できない
◇部門の属する部下の管理能力が育たない
◇リスクに対する認識と備えがない
といった問題に繋がっている。
例えばなしでいえば、
◇食事の栄養バランスが悪い
◇寝不足で過労気味である
◇運動をしていない
◇衛生管理が不十分
といった現状であるにもかかわらず
『風邪をひいていないから問題なし』
と、この事態を放置しているのと同じなのである。
話は少しずれるが、数年前まで在京キーテレビ局の視聴率競争では、「楽しくなければテレビじゃない」というキャッチフレーズの「F社」が圧倒的に強かった。
しかし、最近では「日本テレビ」、昨年は「テレビ朝日」にも抜かれ、「TBS」と4位争いを演じるまでに凋落している。
わたしは、「F社」のこの状況がしばらく続くとみている。
その理由は、現在のF社の人事配置にある。
詳細は省くが、単に、「時代背景と感性がマッチして数字を取ってきた人」を「カリスマ」と呼び、役員や管理職として人事配置するようでは、組織にとってリスクである。
「感性勝負」で成功した人は、多くの場合、成功要因も失敗要因もその分析と解析が「感覚的」である。
これでは、実施した施策が「たまたまハマった」場合は結果オーライであるが、結果オーライ出なかった場合は、どんどんその後の施策も明後日の方向へ迷走していく。
話を元に戻すが、管理職が管理職の役割を果たさない人事配置をしている組織ほど不幸でかつリスクがありまくりなのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ328号より)
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