20131114日付のサンケイスポーツによると、

『全編ボカシの演出が問題視され、放送休止となっていたTBS系「マツコの日本ボカシ話」(火曜後11:58)が1022日の初回放送のみで打ち切りとなった』

ことを報じていた。


記事によると


1112日に代替番組「人間観察バラエティー『モニタリング』傑作選」を放送した際、TBSがテロップで「慎重に検討した結果、番組を終了することを決定しました」と発表した


◇「ボガシ~」は業界関係者らが顔にボカシを入れて出演し、司会のマツコ・デラックスに裏事情などを打ち明ける内容


◇第1回放送では、生保レディーが“枕営業”などを告白した


◇「放送ではボカシは最低限にするという内規に抵触する」という社内からの意見や営業側からの指摘を受けた


1029日の第2回放送から休止していた


という。


客観的には、

◇社内規定に反する(コンプライアンス上の問題)

◇テレビ局の営業サイドからクレームが出ている

◇視聴者からクレームが出ている

となると、当然、番組スポンサーは「企業イメージ」を優先するから、仮に深夜時間帯として視聴率が高くとも、クレームが入るであろうから「打ちきり」は止むを得ないだろうと思う。


それにしても、TBSのかつての長寿名番組「日本昔話」にひっかけたネーミングも冴えている。

そして、マツコさんが司会を務める、現在、深夜枠で放送中の日テレ系「月曜日から夜更かし」もテレ朝系の「怒り新党」も視聴率は好調である。

つまり、「ほぼ全編ボガシ」という演出による「業界裏話」をマツコさんがイジる番組は、このまま継続すれば、賛否が大きく分かれるが「深夜の人気番組」になったことは間違いなかっただろう。


私が申し上げるのも失礼であるが、マツコさんは、キャラクター的に、ゴールデンタイムの番組向きではないので、今後も、深夜枠で「挑戦的番組」にどんどんチャレンジして欲しい。


話しを「番組の打ち切り」に戻すが、私が注目したいのは、

◇放送開始前のチェック体制に見直すべき点(改善の余地)はないのか

◇ボガシ演出が社内規定とされている背景はどのような理由なのか

である。


わたしは、放送局のコンサルティングや監査に携わったこともあるので、その経験からすれば、番組が誕生するプロセスとして、番組の企画や構成、キャスティング、スポンサー企業への営業などがある。

詳細は省くが、結論的には、つまり、ふつうに考えれば、番組の企画段階で「視聴者の評判(クレームの発生や低視聴率)以外の問題」は、精査されるプロセスがあるから、コンプライアンス的な問題であれば「企画自体がボツ」になったはずである。


しかし、企画は通り、第1回放送がされた。

つまり、「社内規定があっても番組が企画され放送される」ということは、「社内統治機構(ガバナンス)が機能していない」と言うことである。

視聴者クレームや低視聴率による「打ち切り」は、企画段階では、わからない話であるが「内規違反」である「打ち切り」であるならば、生放送番組ではないのだから「番組のチェック管理体制が不十分」なのである。


また、「ほぼ全編ボカシ演出が内規でNG」となる理由はなんであろう?

「情報バラエティ番組である以上、放送局としての信憑性」が「全面ボカシでは損なわれる」という理由であるのだろうか。

しかし、顔出しできない裏話をテレビの取材で話すということを考えれば、情報提供者の安全確保の意味で「ボカシ」は仕方ないと思う。

その分、放送する側が責任を持って、

『情報元とその裏取りの徹底確認』

をしていれば、良いはずである。


番組は打ち切りになってしまって、個人的には、非常に残念ではあるが、TBS側の番組企画プロセスの改善はどのような対策を講じられるのか、注目したいと思う。

まさか、「番組は打ち切りになったんだから、業務プロセスの検証なしで、はい終了!」とならないことを祈りたい。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ359号より)


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