以前、ある企業の顧問コンサルタントをしている時に、職員研修のひとつとして

『どのような組織を作ることが理想ですか?』

というお題でグループディスカッションをしてもらったことがあった。


ディスカッションの方法としては、

◇各自でどのような組織を目指したいのか考えさせる

◇目指したい組織像をカードに簡潔な言葉で書く

◇グループ内で書かれたそのカードを集めグルーピングし「表札作り」をする

◇その表札の位置関係を模造紙(ホワイトボードでもよい)に空間配置し図解する

◇図解したカードを文章化する


というようなまとめ方である。

ご存知の方も多いと思うが、要は、問題解決や発想法の手法としてよく知られる「KJ法」的にディスカッションをさせたのだ。


ディスカッションの詳細は省くが、この演習を各グループにさせた結果、「どのような組織を作りたいか」の結論で、数多く出てきたグループの答えは「和気あいあいとした組織」であった。

もちろん、この演習の目的は「問題解決の方向性をグループ内で一致させるための模擬演習」だから、出てきた結論は何でもよい。

ただ、個人的には、この数多く出された結論に対しては、「う~ん、みなさんが考える目指すべき組織は、和気あいあいとした組織ねぇ~」(苦笑)と思ったのだ。



『和気あいあい』というのは、いかにも「和」を重んじる日本人らしい伝統的精神文化である。

もちろん「和気あいあい」がよい人間関係を構築するのに効果があることは認めたい。

また、精神的なゆとりを得るための親睦目的のプライベートの課外活動においては「目指すべきところ」だと思う。

ただ、「企業組織」においては、組織の一番の目的は「健全な事業活動を通じて利益を出して世の中の役に立つこと」である。


しかし、企業組織が『和気あいあい』を目指すと、結論からいえば、組織が成長しないんですよね。

具体的には、

◇「和」を重んじることになり、変に周りの顔色や行動をうかがう

◇時として「厳しい意見や提案」が社内からわき上がりにくくなる

◇職員同士が切磋琢磨しない傾向がある

◇組織自身が時代や顧客ニーズに合わせた変化がしづらくなる

といった現象が起きるのです。


「和気あいあい」は「そこで仕事をする職員にとっては精神的にめちゃめちゃ楽」である。

「親睦団体」であれば、それでもいいかもしれない。

しかし、あくまでも「企業組織」は「利益追求」が一番の目的であり、「健全に組織が成長し、世の中において必要悪な存在にならない為の手段や考え方」としてコンプライアンスや顧客満足、情報管理、安全管理、環境経営、社会貢献、従業員満足・・・などがある。

企業活動の役割のひとつに「従業員が喜びを持って働ける職場作り」があるのは当然であるが、だからといって、最優先したら、組織は成長しないのだ。


もちろん、組織が仲間を蹴落として、足を引っ張り合い、殺伐とした雰囲気が社内に漂うような社内環境が発生するぐらいなら「和気あいあい」の方がいいかもしれない。

しかし、基本的には、「企業組織が目指すべきもの」は、悪い意味での成長の止まった協調体制的「和気あいあい」ではなく、「切磋琢磨」。

要は、組織作りのポイントは、『あの人も頑張っているから、自分も頑張るぞ!』という常に切磋琢磨できる社内環境や社風を作り上げることが重要なのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ277号より)


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