2013年7月25日の時事通信が「スペインで発生した高速鉄道脱線事故」について報じていました。
記事によると、
◇事故が発生したのは、スペイン北西部ガリシア州サンティアゴ・デ・コンポステーラ
◇列車を運行するスペイン国鉄のロドリゲス総裁は、車両は事故当日の朝に検査をしており「問題はなかった」との認識を示した
◇現地メディアは列車が規制を大幅に上回る速度で現場のカーブにさしかかったと報じている
◇列車は乗客218人を乗せ、首都マドリードからガリシア州フェロルに向かっていた
◇これまでに80人が死亡し、約130人が負傷
◇在スペイン日本大使館は現地に職員を派遣し、日本人乗客の有無について確認を急いでいる
◇事故現場はサンティアゴ・デ・コンポステーラ駅から約4キロの地点で、カーブのため運行速度は時速80キロに規制されていた
◇パイス紙などは事故調査当局の情報として、列車がこれを大幅に上回る時速190キロで現場にさしかかったとする乗員の話を伝えている
◇国鉄広報担当者はAFP通信に、事故原因は調査中で「事故発生時の速度は運行記録を解析すれば分かる」と話している
という状況のようである。
事故原因の究明は、これからされていくと思うが、素人目にも、現状から考えて、速度超過が事故原因であったことが想像できる。
「速度超過が事故原因」となると、2005年4月に発生した「福知山線脱線事故」と原因は一緒である。
福知山線の事故では運転していた高見運転士は亡くなったので真相は闇の中であるが、ダイヤからの遅れにより、日勤教育や上司からの叱責、運転業務からの降格などの懲罰に対する不安から計画されている速度を超過したのではないか、ということが言われている。
今回のスペイン高速鉄道事故では、運転していた運転士は生存しているようである。
今後の取り調べで、真相は究明されていくと思われるが、「速度超過の原因」として現在考えられるのは、
「高速鉄道の運賃制度」
である。
この鉄道は、20分遅れで25%、1時間遅れで全額返金というシステムのようで、「ダイヤの遵守」と言う点については運転士に相当プレッシャーが与えられていたと思う。
日本の特急の場合は「2時間遅れで特急料金のみ全額返金」であるから、相当、過酷な鉄道運賃制度である。
では「なぜ、このような運賃制度が設けられたのか?」であるが、LCC(格安航空会社)との競争にあると言われている。
そうなると、このスペインの高速鉄道脱線事故は、他人事ではない。
日本の場合も、例えば、東京⇔大阪を移動する場合、公共交通機関としては、JR新幹線、在来線、高速バス、飛行機といった手段があるが、LCCの登場後、急激に「飛行機移動の割合」が増えているという。
そうなると、いつかは、JRも現在の運賃システムを見直して、飛行機に対抗して、タイトな運行管理が乗務員に要求されていくだろう。
そう考えると、この事故は「対岸の火事」ではない。
現に、車両からの出火が相次ぐ「JR北海道の特急列車」は、バスや飛行機との競争激化により、設計された車両の能力ギリギリの速度で運行することによるエンジンなどへの負荷が出火原因とも言われている。
スペインの高速鉄道脱線事故のようなケースは、今後、世界各地で発生する可能性があるのではないかと思う。
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