JR北海道の特急列車からの出火事故が相変わらず続出している。

思い起こせば、20115月に石勝線占冠村のトンネル内での脱線火災事故が車両火災の始まりであった。

この時は「脱線事故」「トンネル内での火災」という点より、「避難手順やマニュアルの不備」といった「安全対策」がどちらかと言うとクローズアップされていた。


その後、エンジン付近や配電盤など様々で出火事故が多数発生し、20137月だけでも、2件続いている。

しかし、根本的な原因は分かっていない。

したがって、トラブルのあったエンジンと同型の車両を使う「北斗(札幌⇔函館)」、「サロベツ(札幌⇔稚内)」の運転が見合わせられるため、輸送能力が約3割落ちた状態で、北海道は本格的な夏の観光シーズンを迎えているのだ。



ただ、最終的な原因はまだ不明だが、出火原因となった破損に至るおおまかな流れは分かっているという。

技術的なことは詳しくないので、ざっくりまとめると、

『燃料噴射ポンプ内の部品が壊れて燃料が過剰に供給され、エンジンが過回転状態となり、エンジンに過負荷がかかった結果、エンジン内部の連接棒のピンが破損し、エンジンに穴が空いた』

というのが破損の経緯らしい。


しかし、この改善は難しいらしい。

というのも、同型エンジンの基本設計は50年近く運用されてきた実績があり、近年の顧客からのスピードアップ要求が高く、エンジン出力を上げる改良は進められている、当初からエンジンがオーバーヒートするトラブルはあったという。

また、専門家によると、鉄道技術はほぼ成熟しており、技術的な臨界点に達しているという。

つまり、初期設計の改善は繰り返しスピードアップとともに進められているが、技術的に、これ以上の改善は難しいというのが現実のようなのだ。


したがって、これに対処するには、

◇ユーザーもJR北海道側も、スピードアップをこれ以上望まない

◇電化して「電車特急」を走らせ「ディーゼル特急を廃止」してスピードアップを図る

という方法論しかないのだ。


わたしは、JR北海道の特急の課題としては、

◇車両(ディーゼル)問題

◇寒暖差問題

◇電化(お金)の問題

3つの問題があると思う。

北海道の特急に乗るとわかるが、飛行機やバスとの競争も激化し、スピードがハンパなく速い(130キロぐらい)。

そして、夏と冬の寒暖差もあるから、相当エンジンを酷使しているというのは、素人目にもわかる。

一挙解決は「北海道の鉄道主要路線の電化」であるが、費用は莫大である。

おそらく、「函館⇔札幌」に関しては、整備新幹線の着工が決まっており、在来線を「電化する」と言う計画はないだろう。


1987年に国鉄が民営化され、JR各社に分割された。

経営としては効率化され、特に内地のJR各社の業績はとてもよい。

しかし、経営基盤の弱いJR北海道のインフラ整備が遅れたことも出火原因の要因としてはあると言えるのだろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ342号より)



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