スナックやクラブで飲み歩く経験が豊富な友人に聞いた話であるが、一般的傾向として「美人ママのお店には美人ホステス」は集まらず、「ブスママのお店ほど美人ホステス」がいるのだと言う。
もちろん、例外もあるのだろうけれど、この法則はかなりの確率で当てはまるのだと言う。
私が想像するところ、このような傾向になる原因は、
【美人ママは「いつまでもスターでいたい」と考えるから】
ではないかと思う。
つまり、「お店の中で一番注目されるのは私」と美人ママが考えている以上、美人ママが採用するホステスは、ママより可愛いわけがなく、また、ママより機転がきくタイプを採用する訳がないからだ。
しかし、「ブスママ」は、「自分はお店の経営者」と考えるから、「スターになる原石」を採用して、きっちり仕込む。
つまり「私はスター」と考えるのか「私は経営者」と考えるのかの違いで、「スタッフの質」が決まるのである。
この傾向は、通常の「会社経営」でも当てはまる。
「組織を継続的に成長させたい」と考える経営者であれば、優秀な人材を採用し、ある程度の年数が経てば、幹部教育も実施し、将来の会社経営を託せる人材作りをしていく。
しかし、本能的に「自分はスター」と考えている経営者は「自分より能力が高く、将来、自分の寝首をかかれそうな人材は採用もしないし、重要な役割に登用もしない」のだ。
先日、ある中小企業の経営者に「私は会長に退いて営業、総務、技術部門の各部長を社長、専務、常務になってもらって経営をバトンタッチしたいと思っている」と相談された。
しかし、その会社の実情を知っている私は、「う~ん」と言ってしまった。
なぜならば、この会社の各部門長は、各部門業務には精通している。
しかし、経営者となると、「会社の将来ビジョン」を立て、各部門で起きている問題点や会社全体の仕組みを俯瞰してチェックする能力が必要である。
だが、この会社では、それらを今までしてきたのは社長であり、各部門長たちは、まったくそんな経験はないのだ。
また、この会社には「自分の役割業務以外の事には無関心」な社風がある。
つまり、「自分の仕事に触れられたくないし、他人の仕事に触れたくない」という発想である。
したがって、各部門長は「与えられた仕事をこなすこと」には長けていても、経営者が本来実施すべき業務について、部門長時代に将来の経営者候補としてちゃんと「マネジメント教育された経験」が無いのだ。
だから、社長が実質的に経営にタッチしなくなれば、会社は、例えれば「羅針盤がない船」のような状態になることはまず間違いないからだ。
そんなこともあって、その社長に私は「もうしばらく社長を続けられた方がいいですよ」と申し上げた。
それにしても、このような状況は、「マネジメント教育をしてこなかった罪」である。
もちろん、社長が「自分の時代で会社を畳む」のであれば、「社長=スター」でもいい。
しかし、「会社を持続可能な成長し続ける組織にして社会貢献できる企業にするぞ!」と考えているのであれば、組織の仕事の仕組みを作り、マネジメント教育を次世代にしなければ、急に「経営層というポジション」を与えてもうまくいくはずがないのだ。
「ポジションを与えることが人を育てること」という考え方はもちろんあるが、「経営者として必要な能力であるマネジメント教育」をしてこなかった人にポジションだけ与えても無理なのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ292号より)
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