国土交通省外局の運輸安全委員会は、7月6日に発生したJR北海道の特急「北斗14号」の出火について、「鉄道重大インシデント」として詳細な調査を開始したという。
この出火事故の調査で分かったことは、
◇車輪の回転軸とピストンをつなぐエンジンの「連接棒」12本のうち2本が脱落していた
◇2012年9月と2013年4月の同型車両の事故では連接棒が破損してエンジンに穴が開いていた
◇JR北海道は部品の金属疲労が原因とみていたが、今回の事故は部品交換後に起きていた
ということで、運輸安全委員会は3件が金属疲労以外の同じ原因で起きた可能性があるとみて調べているという。
技術的なことは、詳しくわからないが、要は、「エンジンに穴をあける原因となった連接棒の破損は金属疲労が原因である」として「金属疲労しないうちに交換する」という再発防止策を立てたわけである。
しかし、「連接棒を交換して間もないのにエンジンに穴が空いた→金属疲労が連接棒の破損原因ではない」ということが、今回のポイントなのである。
2013年7月10日付の毎日新聞の報道だと、
◇連接棒はピストンにつながるピンが割れて、潤滑油の受け皿に落ちていた
◇エンジン内では燃料供給量を調節する金属部品「スライジングブロック」が壊れていた
◇過去2件の事故と同様に、部品の破損でエンジンに燃料が供給されすぎて回転数が異常に上がり連接棒が脱落した可能性がある
◇JR北海道は、過去2件の原因を部品の金属疲労と判断し、2012年9月以降、部品の交換を走行距離50万キロから25万キロごとに短縮した
◇2013年4月からは10万キロとさらに短縮し今回の事故車両の部品は4月16日に交換したばかりで、走行距離は5万1000キロだった
という。
つまり、運輸安全委員会の報告書作成はこれからではあるが、素人目にもJR北海道の野島誠社長が記者会見でいわれるように「結果的に見通しが甘かった。原因究明と対策が不十分で申し訳ない」と謝罪したとおりで、「連接棒の破損原因の調査が不十分だった」と感じる。
また、びっくりするのは、「2012年9月の特急事故で破損したエンジンの金属部品“スライジングブロック”の所在が不明になっている」というのだ。
このスライジングブロックは、ドイツのボッシュ社製で、「製品不良の可能性が高い」として、JR北海道は代理店を通じてボッシュ社に部品を2012年10月に送ったが、7月10日に確認すると「届いていない」との回答があったというのだ。
日本で大騒ぎしている「JR特急の出火事故」のカギを握る「スライジングブロック」の調査が、なんと、9ヶ月以上も「放置」されていたのである。
JR北海道は、「出火原因」の技術的なことを解明することの方が、もちろん先決ではある。
しかし、この「製品不良の調査プロセス」についても「代理店を通じた発送依頼業務」「ボッシュ社までの輸送業者管理(品物の授受管理)」「部品調査のスケジュール管理」などについて、検証し、見直しを図る必要があると強く認識しなければ、「再発防止のプロセスが私たちユーザーにとって安心できるもの」とは言えないのである。
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