2013年6月7日付の北海道新聞で、札幌市建設局が管理する「新琴似資材置場」から工事用鋼材が合計3554トン(7500万円相当)盗まれていたことを報じていました。
記事によると、
◇当初の盗難は「工事用鋼材980トン」とされていたが、「新たに2574トンの盗難」が判明した
◇札幌市は鋼材の定期点検をしていなかった
◇札幌市は鋼材の管理台帳も作成していなかったため、被害量の把握が遅れた
◇鋼材は地下鉄工事などの際に足場に利用する資材で、H型をしている
◇鋼材は、1997~98年に市建設局が市交通局から購入し保管していた
という。
それにしても、資材の在庫・保管状況について「定期点検」と「管理台帳」のシステムが機能していなかったとは、驚きである。
もしかしたら、「システムが効果的に機能していなかった」と考える以前に「定期点検と管理台帳の作成手順がきちんと構築されていなかった(ルールが無かった)」可能性もある。
さらにいえば、資材置場である「新琴似資材置場」の防犯管理体制も明確でなく、適切な管理がされていなかったことにもなる。
民間企業であれば、会計管理上、購入した資材が使用されたのか、販売されたのか、それとも在庫として残っているのかが把握できなければ、適切な会計管理ができないので、あたり前のように「定期的な棚卸」を実施する。
棚卸をすることで、適切な会計管理ができることはもちろん、理論在庫と実存在庫のずれが生じていたり、在庫が損傷していて使いものにならなければ、不良在庫となるので、「在庫管理体制の見直し(改善)」を実施することもできる。
しかし、札幌市には、今回の盗難事件により、まともな資産管理の仕組みが無かったと言えるし、下手をすると、「すべての市の資産がどんぶり勘定」なのかもしれない。
札幌市議会やオンブズマン組織の「追求」が今後あると思われるが、単なる「市長や担当局の責任問題」だけでなく、「マネジメントシステム構築とシステム運用状況のチェックの重要性」にまで言及して欲しいものだと思う。
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