2013611日に、日本野球機構と労働組合日本プロ野球選手会との討議で、2013年度の統一球の仕様が調整されていたことが分かったという。


各メディアの報道によると、


◇日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナーからNPB事務局は一任を受けた


◇一任を受けたNPB事務局は製造するミズノ社に調整を指示した


NPBは、各球団と選手会には説明せず、ミズノ社にも「混乱しないよう、調整したことは公表しないでほしい」と要請した


2012年は1試合あたりのチームごとの平均本塁打数が0.51本だったのが、2013年現在(6/11)は、0.75本と増えた


NPBは選手会からの質問に対し、仕様を調整していたことを認めた


◇プロ野球では2011年シーズンから、使用球をミズノ社製に統一した


◇反発係数を基準の下限値近くに下げたため、11年から本塁打数が激減した


2012年中に数回行ったボール検査で、反発係数の平均が基準の下限値を下回るケ

ースが出た


NPBは、2012年夏ごろにミズノ社に「13年の統一球では反発係数が下限値を下回らないように」と調整を指示した


という。


当初、このニュースを耳にした時は、


◇日本プロ野球機構は、統一球を使用することで「国際基準に合わせる(違和感を持たないための措置)」という目的を勝手に覆したのか?


◇仕様変更を世間に公表しなかったのは酷い話だ


と思った。


しかし、メディアが伝える情報をチェックすると、

「統一球の反発係数が基準より低くなり過ぎていたので調整を製造元に指示した」

「混乱を避けたかった」

というのが顛末のようなので、プロセスには問題があるものの、処置対応としては妥当なのかな、と思う。


それにしても、疑問は「ミズノの統一球の製造精度の低さ」である。

主な原料は、球の中心のコルク、コルクを覆う低反発のゴム材、表面の牛革と糸である。

基準となる平均反発係数の規格値下限は0.4134で、投手 の球速を144キロ、打者 のスイングスピードを126キロ、飛び出し角度27度として計測すると約109.4メートルの飛距離になるという。


これが、統一球の「製造基準」である。

しかし、記事によると、2012年のテストでは、反発係数の下限より低いものがあったというから、製造業の世界の概念でいえば「不適合品を出荷」していたことになる。

ミズノ社の「最終検査基準」はどうなっているのか、大いに疑問であるし、本当に、製造精度がそんなにもバラつくものなのだろうか。


それにしても、日本プロ野球機構の対応は、まずかったと思う。


◇ミズノ社に依頼している統一球の仕様と製造結果のチェック方法


◇ミズノ社の製造精度が担保できない場合は、他社への変更の検討


◇統一球の仕様調整に関する球団、選手会、世間への公表方法


については、プロセスを見直すべきであろう。


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