2013年5月30日付の毎日新聞によると、(記事から引用)
「旧日本軍の従軍慰安婦を巡る発言などで市政を混乱させたとして、大阪市議会の自民、民主系、共産の3会派は30日の本会議で、橋下徹市長(日本維新の会共同代表)に対する問責決議案を提案したが、反対多数で否決された。公明も賛成して可決される見通しだったが、松井一郎大阪府知事(維新幹事長)が同日午前、可決されれば橋下市長が辞職して出直し市長選を実施するとの見通しを表明。公明が反対に転じた・・・(後略)」
という。
このことは、昔から言われることであるが、政治の世界は「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」であると、私たちに、あらためて印象付けてくれた出来事だと思う。
本来、信念として「橋下市長は市政を混乱させた責任をとって辞めるべき」と考えたのであれば、公明党も問責決議に賛同すればよいのである。
しかし、逆に「出直し選挙」で禊(みそぎ)を済ませ「息を吹き返されては困る」との判断が働いたのであろう。
つまり、今回の一連の「橋下発言」に関して、実際は「建前で動いている」人の方が多いのではないかと思う。
例を挙げれば、
◇超党派の女性議員など女性の権利を主張する団体
◇日本維新の会と対立する政党や人
◇慰安婦問題などに関する団体
◇日本を弱体化させたい諸国
◇視聴率や売上部数を伸ばしたいマスメディア
などは、
「橋下氏の発言をネタに、自分達に有利に働くよう、世間にアピールしていこう」
と考えているのではないかと思う。
要は、これらの人は、本心じゃ「橋下発言を精査すると、決して女性を蔑視してはいないし、慰安婦を許容した発言もしていない」ということが分かっている。
しかし、敢えて「橋下氏はとんでもない奴だ」と声を大にして発言することで、「2次、3次情報でしかものごとの本質を判断せず、噂話や世間の雰囲気に流されやすい一般市民」をあおることで、立場を有利にしているのである。
コンサルタント仲間で、この件を話していると、誰もが「橋下さんは、橋下流の言い回しで余計なことを言っちゃったな」という感想であり、かつ、誰もが「橋下さんは慰安婦を許容もしていないし、女性は男性の慰み者であるという考えを持った人物ではないよね」という意見である。
このことは「男性だけでなく女性コンサルタント」と話していても、同じ意見である。
しかし、この件に関しては、多くが、仲間内の席以外の、公の場(ブログなどを含めて)では、「橋下さんは慰安婦を許容もしていないし、女性を蔑視下発言はしていない」とは決して言わない。
要は、口をつぐんでいる。
つまり、「発信者のパーソナリティを知らない人」や橋下氏を頭ごなしに「とんでもない奴だ」と思っている人がいる場で、「擁護と取られかねない発言」をすると、必ず非難を受けることが分かっているからである。
だから、「君子危うきに近寄らず」的発想で、橋下氏の真意を分かっている人ほど「この件に関して沈黙を通している」のである。
(私のようにブログ等で「橋下発言」に関するコラムを発信すると必ず罵倒するコメントが「通りすがり」とかいう無責任な匿名で入ってきます)
昔から、身内以外の席で、雑談を含めて「政治と宗教の話は絶対に触れない方がいい」と言われている。
それは、政治と宗教の話題に関しては、普通の人が、どんなにうまく他人に考え方を伝えたつもりでも、その「信念」や「理念」に関する部分は、すぐにはわかりあえるものではない。
また、経験や価値観が違えば、伝えたいことが誤って伝わることもあり、心情的に関係が悪くなることが明らかである。
そして、さらに、「こいつを陥れよう」と思う人がいれば、足をすくわれかねない話題なのだ。
個人的には、橋下氏のズバズバした「建前論ではなく本質論で語りましょうよ」という主張は好きである。
しかし、「慰安婦や風俗活用」に関しては、誤解を受けやすいテーマである。
また、誤解を受けないとしても、「千載一遇のチャンス」とばかりに、それに乗じて対立軸から、攻撃されることは目に見えていたのだ。
数々の修羅場をくぐってきた橋下氏であるが、今回は、トータルで考えて「情報発信の仕方を誤った」と言えるのではないかと思う。(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ335号より)
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