日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が旧日本軍の従軍慰安婦を容認する発言をしたことについて内外を含めて大騒ぎとなっている。

マスコミを活用する戦略で、大阪維新の会→日本維新の会と成長してきた「橋下政党」であるが、今回の発言の賛否はともかく、マスメディアは、建前上は「賛成」する論調は皆無だろうから、マイナスに働くことは確実だろう。

橋下発言に対して、党内では、大阪府知事の松井幹事長は「裏では別のことを言い本音を言わない政治家ばかりのなかで、今回の発言は橋下徹らしい」発言し、石原共同代表も「慰安婦問題は決していいことではないが、軍と性の問題は切り離すことはできない。彼は決して間違ったことを言っていない」と発言している。

一方、国対委員長の小沢鋭仁氏は「党で議論したことはない」と釈明し、国会議員団の松野頼久幹事長も「誤解される発言は好ましくない」と不快感を表明している。

まぁ、夏の参院選を前に、国会議員団の本音としては「おいおい、なんで、世間を敵に回すことを党で議論したこともないことをいきなり発言するんだよ」というのが、日本維新の会という組織を利用して国政という舞台で泳いでいきたい人たちの正直な思いであろう。

それにしても、今回の橋下氏の発言の「狙い」はどこにあるのだろう。

風見鶏的に考えれば、仮に「軍人のコントロールのひとつに性問題があり議論が必要」だとしても、ふつうに、なんの機運もない通常時にこの手の発言すれば、プラスに働くことはまずない。

単に、国内外のマスメディアにつるしあげられ、人権団体はわーわー騒ぎ出し、それに多くの国民の論調も左右され「非難の声が湧きおこる」・・・そして、参院選など選挙では「日本維新の党バッシング」になっていく・・・という展開になるのは当然だ。

単に「注目を集めたい」ということであれば、この発言は失敗。

しかし、慰安婦問題を含め「うわべだけでなく本音で議論でき、それを理解できる人たちだけに支持されればいい」ということでの発言であれば、もちろん「そうだそうだ」と支持する層もいるわけで、世間の多くの支持を集めることはできない。

組織マネジメント的に考えれば、日本維新の会は、やはり、「橋下個人商店」なんだな、と思う。

つまり、橋下氏と良くも悪くも「心中する」しかないのだ。

これが他の政党であれば、トップをサクッと変えて、「今回の発言は彼の個人的意見で党の信頼を失墜させた責任をとって交代しました」ということも可能であるが、日本維新の会では、それは無理だ。

橋下氏が日本の維新の会から身を引けば、日本の維新の会自体が実質的に消滅となる。

個人的には、今回の橋下発言について、世間に媚びるのであれば、お前の考えはどうなんだと問われれば、「極めて問題発言である」と見解していた方が無難だ(笑)。

ただ、私見だが、ステレオタイプで橋下氏は「間違った歴史認識だ」とか「女性蔑視だ」とかいうつもりはなく、実際問題、ちゃんと議論が必要だと思う。

ただ、私の興味としては、「「組織論」「マネジメント論」という観点で、今後の「日本の維新の会」がどうなるのか、関心がある。

注目してみたいと思う。



【2013年2月14日発売!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ7つの思考法』(パブラボ刊)
 


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/



【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html