私の友人や知人の中には、
◇小学校から大学までずっと成績優秀
◇奥さま(あるいは旦那さま)も高学歴
◇お子さんも成績優秀
◇勤め先も大企業でホワイトカラー
◇他趣味であるが、その趣味もすべてアマチュアとしてはトップレベル
という人がいる。
私のような「凡人」からすれば、うらやましい限りの人生を送っていらっしゃるなぁ、と思う。
その方の人生全てを存じ上げているわけではないが、おそらく「大きな挫折」とは無縁の生活を送ってきているのだろう。
上記のような境遇の友人とは「仕事上の付き合い」はないので、実際のところはよくわからないが、「会社で管理職だけど部下をきちんと教育できるのかな」と思うことがある。
その理由は、この友人は、
◇私の知っている範囲では何事も要領が良い
◇頭の回転が速い
から、「そうでない部下の立場や心境を理解できるのかな」と思ったからだ。
この友人の例ではないが、私は仕事柄「企業の業務システムの監査」をする機会が多い。
その際に「監査員資格を取得するために見習い監査員の指導」をすることもたまにある。
私は年齢の割に「監査員」としてはキャリアが業界の中では比較的長い。
そのため、恐縮ではあるが、「年齢が私より年上」かつ「学歴も業務経歴も私よりずっと立派」という「見習い監査員」を指導する機会も結構ある。
そのような、いわゆる「エリート人生」を歩んできたであろう「見習い監査員」と監査を実施すると「思い込み」や「べき論」が多いのだ。
例えば、「経営計画や教育計画」について、監査をしている時に、
◇きちんと紙に書かれたもの
◇計画は最低月単位で目標と目標達成のための実施内容が計画されている
◇その計画には予算計画も含まれている
といったものを「正しい計画」として信じて疑わずに監査しているのだ。
もちろん、大企業や経営計画を極めて明確に予実(予定と実績)管理する社風のある会社であれば、上記のような「計画書」の作成は常識である。
しかし、中小企業であれば、
◇必ずしも「年間計画書」というような様式には明文化されていない
◇計画単位は「上期」「下期」という大雑把なもので月単位では管理していない
◇予算は「その年の業績に応じて計画」という都度計画である
ということは、よくあることで、ある意味常識である。
しかし、「エリート人生」を歩んできた「年上でご経歴が立派」な見習い監査員にはクレージーなことらしいんですね。
監査の休憩時間に「会社の規模によってはこういう会社もあるし、それが妥当でもあるのだから・・・」と見習い監査員に説明する。
しかし、多くの場合、「でも計画をきちんと立てた方が会社の管理レベルが高まって良くなりますよね」となかなか、自説を曲げない。
要は「それぞれの特性に応じた事情」を理解できず「他の価値観を認められない」のでしょう。
このような方は、「監査員」としては失格です。
また、このような方は、会社組織の中で「管理職」である場合、「エリートな部下」ばかりを指導するのであればあまり問題はないでしょう。
しかし、そうでない方、あるいは、出向や転籍により「規模の小さな系列会社の管理職」となった場合は、相当苦労するのではないかな、と思います。
では、いわゆる「エリート人生」を歩んできた方が「相手の立場を理解でききちんとした指導ができる管理職」になるためにはどうしたらよいか?
それは、自分よりレベルの高い方がたくさんいる」そして「すぐには上達しない3流レベル」の趣味(できればスポーツがよい)を持つことを私はお勧めします。
「3流レベル」であれば「3流レベルの人に適した練習や取組み方」を学ぶ機会ができます。
また、「3流レベル」の選手が感じる立場を理解することもできます。
「常に1流」のポジションで何事も過ごしてきた方にとっては「精神的にちょっとシンドイ」面もあると思いますが、「よい管理者、よい指導者」になるためには「さまざまな立場を理解する」というセンスが必須です。
「挫折を知っている人は強い」ということが言われますが、挫折とほぼ無縁の人は、「不得意なものを敢えて選んでやってみる」ということが必要なのです。
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