「業務改善」において「基本中の基本」の視点として「ECRS」という言葉がある。

ECRSとは、

EEliminate(排除→なくせないか)
CCombine(結合→一緒にできないか)
RRearrange(交換→順序の変更はできないか)
SSimplify(簡素化→単純化できないか)

であり、「排除」、「結合」、「交換」、「簡素化」の英単語の頭文字をとったもので、いわゆる「業務改善の4原則」である。


ECRSについて、事例を挙げるとすると、例えば、『清掃作業』。

「清掃作業」について、まずは「清掃作業をする前提」を考えてみる。

すると

◆「汚す人と清掃する人が異なっている」

◆「ゴミになるものを持ち込んでいる」

ということが考えられる。


次に、上記で挙げた点について「ERCS」の観点で考えてみると、以下のようになる。


『汚す人と清掃する人が異なっている』→「一緒にできないか」の可能性が考えられる。

そして、そこから出てきたアイディアは「清掃のセルフサービス化」である。

実際、サービスエリアやイートインなどの食堂では、テーブルに台拭きが置いてあり、汚れていれば「自分でテーブルを拭く」スタイルは、いまや常識だ。


『ゴミになるものを持ち込んでいる』→「なくせないか」の可能性が考えられる。

そして、そこから出てきたアイディアは「ゴミになるものを持ち込ませない」である。

こちらも、実際、セミナーや講演会、コンサート会場などに行くと「館内での飲食はご遠慮いただいています」という案内があり、こちらも常識化している。

飲み物を持ち込めば、空きペットボトルや飲みこぼしがあれば、床清掃などが発生するから、それを防ぐ対策なのだ。


このように、「ECRS」の原則で捉えると「マニュアル化されあたり前」となっている業務にまだまだ「改善の余地」があることに気づくのである。

ちなみに、最近、利用したビジネスホテルでは、部屋の入口に線が引いてあり、スリッパが用意されていた。

この効果は「日本人の感覚なら入口に線が引いてあると玄関と認識し自然と靴を脱いでスリッパに履き替える」人が殆どであろう。

すると、どうなるか?

結果として、ホテルの清掃に関する生産性が格段にアップするのだという。


つまり、土足で室内を歩きまわれば、靴に付着して外から運んできた泥や砂などの埃を部屋にまき散らすことになる。

これが、スリッパに履き替えることによって、軽減されるから、日常的な清掃時間について短縮を図ることができるのだ。


産業や業務が成熟した業種の人と話していると「うちらの仕事はほぼ確立していて、もう見直すべき業務はない」とおっしゃる方が多い。

しかし、「常識」と化している仕事について「業務改善の4原則」の視点で捉えなおすと、意外と単純な改善案が見えてくることもあるのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ312号より)


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