ルービックキューブ(5×5×5キューブ単発)の元世界記録保持者で、現在は、「単発、平均」など4つの日本記録保持者である大村周平氏が、テレビのインタビューで、「どうしてそんなに早く完成させることができるんですか?」と聞かれた時の回答が印象に残っている。
私の記憶では、大村氏は確か、その時「頭の中に500以上のパターンが入っているんですよ」と答えていた。
ルービックキューブの大会は、色がぐちゃぐちゃになっているキューブが各選手に渡され、競技開始前に、30秒とか1分とかの時間が与えられる。
選手は、そのキューブを手に取って眺め、そして、合図とともに、キューブの色を揃える時間を競うのだ。
したがって、大村氏は、競技開始前のキューブの状態をチェックする段階で、「このパターンはこうやって・・・」と戦略を練るのだ。
つまり、「クリアするための基本パターン」が、大村氏流にいえば、500程度あり、それに近いパターンに当てはめてクリアしているわけだ。
一方、素人は、1面、そして2面目というように「場当たり的」にキューブを動かして、まる1日ぐらいかけて「偶然」に近い感じで全面クリアする。
(ちなみに、私は、全面クリアしたことはない)
以上のことから、キューブのクリアスピードを上げるためには、キューブを扱う手の動きなどをトレーニングすることも大事な要素だとは思うが、とにもかくにも「数多くのクリアパターンを頭に叩き込む」ことが最も重要な要素ということになるのだろう。
これと同じような事例としてよく知られているのが「将棋」である。
将棋には「詰将棋」があるように、「定石」がある。
こちらも、素人同士の試合なら「駒を適当に動かして」相手を不利な状況にする。
しかし、玄人は、「定石」が頭の中に入っているから、最短距離で相手を不利な状況に追い込むわけだ。
このように「常勝パターン」とも言える「定石」を覚えることが「上達の方法論として重要」なことは、競技種目に限ったことではなく、私たちの日常の仕事でも言えるだろう。
「研修期間を長期間に亘って設定している大企業」を除いて、たいていの会社では、新人社員が入社したら、基本的なことを教育した後は、「あとは、仕事をしながら先輩の仕事を見て覚えて!」が仕事を覚えていくプロセスとして一般的な手順であろう。
つまり、仕事をする中で、例えば営業の仕事なら「こうしたらお客様に喜ばれた」とか「このような対応をしたらクレームになった」などさまざまな「仕事のパターン」を経験として学ぶことで、上達していくのである。
以上のようなことから、競技種目でも、仕事でも、「上達する近道」は、「さまざまな成功・失敗パターン」を学び、身に付けて、それらを総合的に捉えて判断し、最適な方法論を選択できるように精進することなのである。
ただ、「先輩のやり方を見て覚える」というのは、一般論としては、大事であるが、「発想力が広がらなくなる」と言う恐れもはらんでいる。
要は、よく言われる「組織の常識に囚われて新しい発想が生まれない」「いい意味でも悪い意味でも組織の慣習にどっぷりつかる」と言うヤツである。
そうならない為の思考習慣として参考になるのは、三冠王を3度獲得したプロ野球の中日ドラゴンズ監督の落合博満氏である。
落合氏は、秋田工業高校、東洋大学と進学したが、いずれの野球部も中途退部している。
また、プロ入りした後も、指導されたレベルスイングが合わず、リストを使ってボールをバットに乗せてはじく打法を我流で身に付けている。
つまり、
◇従来の「定石」が自分に合っているかどうか
◇従来の成功パターン、失敗パターンが今の時代にもマッチしているかどうか
といったことを常に意識することである。
組織の中にいると、「俺はこの方法で成功してきた」という「昔の名前で出ています」的上司がいるし、そういった上司に評価されないと組織内での自分の立場も上がって行かない。
そうなると、従来の方法論を踏襲した方が精神的にもラクである。
しかし、そういった「ラクな思考」を続けていると、発想力は向上しないばかりか、どんどん低下していってしまうのである。
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