仕事仲間を通じて知り合った人で企業の教育研修の講師をされている方に「どんなお仕事をされているんですか?」と聞かれたので「組織の業務改善や問題解決、リーダーシップやコミュニケーション、その他には環境や情報管理のマネジメントシステムの構築指導をしています」と話した。


すると、その方は「商品アイテムが幅広いですね!」とおっしゃられた。

私は「コンサルティングサービスの種類は多いかもしれませんが、大雑把にいえば、基本的にはPDCAサイクルを指導しているだけですよ」というと、その研修講師の方も「経営コンサルティングの基本はそうですよね、私もおんなじです」という。


組織マネジメントを知っている方なら常識であるが、「組織的な経営力向上」を目指す場合、経営課題は「品質向上」「環境対策」「人材育成」「業務の効率化」「マーケティング」「商品戦略」「安全管理」「コンプライアンス」・・・などいろいろあれども、原則的には「組織の置かれている立場を認識し、組織の将来像を明確にして、方針を立て、方針を達成するための目標を設定し、目標を達成するための活動を計画し、実行したら、チェックして、出来栄えを評価し、そして仕組みや資源の見直しを実施し・・・」といったPLANDOCHECKACTPDCA)をまわすことが基本となるのだ。


先日、ある中小企業の担当者と環境経営システムについて打合せをしていたら、どなりのブースでその会社の取引先と別の担当者の方の話し声が聞こえてきた。

どうも「個人情報保護の管理体制」についての打合せをしているようだ。

話を聞いていると、「個人情報保護目標を作ってください」とか「組織の役割と責任を明確にした組織図を作ってください」とかそんな話をしている。


隣の打合せに首を突っ込むのも失礼なので何も言わなかったが、私は「妙な感覚」に襲われた。

なぜなら、その会社は、品質マネジメントシステム(経営管理システム)も環境マネジメントシステム(環境経営システム)も構築している会社なのだ。

当然、取引先であれば、そのことは知っているはずだ。

つまり「目標管理の仕組み」や「組織の責任権限体制図」はすでにあるのだ。

しかし、また別途、一から作らせようとしている。

ほんのちょっと「個人情報保護」に関する部分を既存の仕組みに足せばいいだけなのに。。。


管理体制をチェックする側の視点で見れば、「品質」や「環境」「安全」「情報」といった

切り口を求める。

しかし、組織運営はそれぞれの管理がウエイトは違っても入り混じっているのだ。

つまり「経営課題に取組み、業務を管理する上では、品質だけ、とか環境だけが関係する」ということはありえないのだ。


品質、環境、安全、情報・・・など、あるマネジメントシステムを要求する側がこのような理解だから、「マネジメントシステムを構築して経営ツールとして使うことは業務が形骸化する」とか「効果が出ない懐疑的なシステムだ」という導入している側の評価に繋がるのだ。

商取引要件や業務管理の効率化のためにマネジメントシステムを要求する側のマネジメントシステムに対する理解不足も「各マネジメントシステムを導入している企業の仕組みが形骸化している」原因のひとつなのかもしれないと思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ293号より)

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