2013年1月15日号の「週刊SPA!」に「ポジティブ思考という病」と題した記事が掲載されていて、概ね同意見だったので紹介したい。
記事では、(※筆者が一部表現を編集しています)
◇常に全力投球で仕事をしていた先輩が、数年後、うつ病になって休職した
◇落ち込んでいる時に「頑張れ!」「前向きに生きろ!」と言われるとつらい
◇過剰なポジティブ思考は強迫観念となり、他人を傷つけることもある
◇ポジティブ思考至上主義は、思考停止に陥らせる
◇仕事で失敗しても反省することなく「落ち込んでいる時間がもったいない」という
◇測りきれないポジティブ思考はまわりから過大評価されることもある
◇何年も無職の人が「ナンバーワンになるより個性が大事だ」という
といった「ポジティブ思考のトンデモ事例」を紹介していた。
これらの事例から言える「ポジティブ思考」の問題点は、
◆失敗の原因を考えない
◆気持ちを前向きにすることで現実逃避している
◆問題解決を「やる気」ばかりに求めている
といったことだ。
「やらなければならないのに重い腰が上がらない」時に、自己暗示代わりに「テンションをアゲアゲ」にする意味でのカンフル剤的意味の「ポジティブ思考」は、私は大いに結構だと思うが、「問題の本質と向き合わずに“気持ち”という精神論に問題の本質を向かわせる」ことは、ゴマカシだ、と思うのです。
「SPA!」の記事では、精神科医の香山リカ氏が、「ポジティブ」の危険について、
◇「ポジティブ」というひとつの価値観に囚われると多面性を認められなくなる
◇「俺は頑張っているのになぜ?」と不安定な状況下でポジティブ思考に出会うと「ハマってしまう」人が多い
◇自分で自分を「ポジティブでいること」マインドコントロールすると、「24時間楽屋裏が無い状態」となり心が疲弊する
◇自己暗示下では失敗を素直に認めることができず、「頑張りが足りないからだ」と悪循環に陥る
◇本当にこれ以上頑張れない、という状況になる前にエネルギーの節約をすることが大事
との見解を述べていた。
また、コンサルタントの坂口孝則氏は、
◇精神論には勝ち負けが無いから「ポジティブ思考」がもてはやされる
◇「成功には理由が無く失敗には理由がある」ことが大半なのだから、失敗を冷静に分析し活かすことが大切
という。
両氏のおっしゃられることは、私も、全く同感である。
些細な失敗を含めて、問題の本質を突き詰めていくことは一見、「みみっちく」、「徒労」に映り、そんなことをしているぐらいなら「前向きに行動しよう」と考えることが「正しい思考」に見える。
しかし、泥臭いコツコツとした本質を追究した反省の繰り返しが、自分の能力を向上させ、結果として組織やまわりもハッピーな結果にさせることに繋がることに気づいて欲しいと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ316号より)
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