201338日付の産経新聞によると、日本マクドナルドの売上が11カ月連続で減少しているという。

記事によると、

20132月の売上高は、既存店ベースで前年同月比12.1%

20131月は17.0%減だったので、2ヶ月連続で2ケタ減

◇日本マクドナルドの「2ヶ月連続の2ケタ減」は2002年以来10年ぶり

6月(13.4%減)7月(17.6%減))

20132月は客数も10.9%

◇客数の2ケタ減は、20039月以来、9年半ぶり

◇客単価も1.4%

◇新店舗を加えて比較した「全店売上高」も1月の15.2%減に続いて2月は10.4%

だったという。

「おっ、マクドナルドも景気悪いのか?」と、ちょっと心配してしまいますが、日本マクドナルドによると、この結果は、ある程度「想定通り」らしい。

つまり、長期的な視点で経営戦略を採っており、短期的な売上獲得につながる「安売りキャンペーンをしなかったこと」が、売上、客数、客単価の減少につながったと分析しているらしい。

日本マクドナルドの創業者、故藤田田社長時代に、成長し続けていたマクドナルドが、危機に陥ったのは「60円バーガー」など安売り合戦に参入したからだ。

その反省から、現在の原田会長は、決して、「先の見えない安売り競争」はしていない。

今回の結果も、常に「収益が出せる経営」を目指す上での戦略のひとつと捉えたい。

それにしても、このような「短期的な売上に走らない」ことができるのも、原田会長が株主に支持されているからではないだろうか。

オーナー経営者でない限り、どうしても、経営者は、年度毎の収支を気にする。

そのため、ブランディング、人材育成など、時間をかけて作っていく部分について、おろそかになりがちだ。

「長期的戦略が大事」なのは分かっていても、株主に常に突き上げされているような経営陣なら、なかなかできない。

話はガラッと変わるが、同じことが、今の「なでしこジャパン」(女子サッカー)にも言えると思う。

現在、開催中のアルガルベカップでは、日本は2連敗して、優勝は消滅した。

しかし、これも佐々木監督が「目先の勝利」に走らなかったからだろう。

「目先の勝負」にこだわるなら、代表選出の段階で、沢選手や宮間選手を選んでいただろう。

しかし、今回は、若手中心の代表選びに加え、初戦のノルウェー戦では、ベストメンバーで先発させなかった。

再来年のワールドカップを見据えて「若手の成長」に期待しての戦略だと思うが、このあたりも「佐々木監督の長期政権」が確定しているから、「先を見据えた戦い」が採れるのだろう。

日本マクドナルド、なでしこジャパンの来年、再来年の「成果」を期待したい。

組織の成長を考える上で「重要度に合わせた、先を見据えた戦略」は重要であるが、それを評価する側(株主、監査員、経営評論家、世間の声など)が結果に一喜一憂するようでは、どうしてもトップは「目先」にとらわれてしまいがちである。

評価する側も、その点を理解しなければまずいだろう。


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