企業の経営支援をする上で必ず経営層や管理層と話題になるのは「生産性(productivity)」である。
定義は色々あるが、例えば、
【アメリカ労働統計局】
「一定の財貨量の生産と、一ないしそれ以上の投入要素量との間の比」
【OECD】
「産出物を生産要素の一つによって割り算して得られた商」
などと定義される。
言葉にすると、何のことかよくわからないし、ピンとこないと思うので、専門的な話は抜きにして、単純に考えてみる。
経営者や管理者は、通常、下記の計算式(簡略化しています)に関心がある。
ひとつめは、
【価値的生産性】
これは (売上-原材料費)÷従業員数 である。
たとえば、ある工場で、月間の売上が5000万円、原材料費が1000万円、従業員が4名であれば、価値的生産性は「1000万円/人」である。
ふたつめは、
【労働生産性】
これは 生産量÷労働量 である。
たとえば、ある工場で、月間の製造量が100個、従業員数が5人、総労働時間が100日だったとしたら、労働生産性は「20個/人」あるいは「1個/人日」となる。
一般的にいろんな企業を見ていて感じるのは、「経営層」は「価値的生産性」に関心がありますね。
ただ、この「価値的生産性」は「数字のマジック」で急激に上がったり、下がったりするので、経営者はその辺をちゃんと理解していないと、「組織の実力」や「従業員の適正な評価」ができなくなるから注意が必要である。
たとえば、ある自動車の修理工場(組織の一部署)の生産性(価値的生産性)が非常に高く、経営者は「生産性が高い部署でスタッフの能力が高い」と評価していた。
わたしは、従業員には悪いけど「ホントかな?」と思って、内情を調べてみると、その工場の売上のほとんどは「事故車両の修理」である。
ピンときた方はもう分かると思うが、「事故車の修理価格」というのは「保険会社との合意で決まるもので競争がない世界」なのだ。
したがって、価格がほぼ決まっている通常の整備部門や点検部門と「価値的生産性」で比較したら、めちゃくちゃに「高い生産性になって当然の部署」なのである。
わたしは、話がしやすい役員にこのことをチラッと話してみた。
しかしその時の答えは「うちは数字を出した部署(人)が評価されますから・・・」だった。
わたしとしては「その指標の捉え方自体に問題があるのに・・・」と思ったし、「業務改善」、つまり「仕事の質を継続的に高めていくこと」をメインに経営支援するコンサルタントなので、「それじゃ、長い目で見て組織の技術的能力は上がらないし、従業員のモチベーションも上がらないよ」と思ったけど、「理解されない事をぐちゃぐちゃ言っても気分を害するだけだし、得策でない」と「大人の判断?」をして言葉を飲み込んでしまった。
それにしても、「指標」の定義は重要だ。
「数字」でものごとを評価するのは、「感覚的に良し悪しを評価する」ことより正当性や公平性が(一応)ある。
また、継続的な改善を目指す上で「PDCA(計画・実行・評価・改善)」のサイクルをまわす場合、評価尺度として便利である。
しかし、きちんと指標設定しないと正しい評価はできないことも経営層は理解していないとダメなのである。
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