またもや「食品偽装事件」は発生した。

今回は「老舗酒造会社」である「浪花酒造」。

浪花酒造は、江戸時代中期から約300年続く老舗で、「浪花正宗大吟醸」は全国新酒鑑評会で2012年まで4年連続で金賞を受賞している。

また、2008年の北海道洞爺湖サミットでは浪花酒造の酒が提供されていたという。

2013226日付の毎日新聞によると、

◇「純米酒」に醸造アルコールを混ぜていた

◇「大吟醸酒」や「吟醸酒」に規定以上の醸造アルコールを加えたりして販売していた

◇大阪国税局が成分を分析して発覚した

◇浪花酒造は、表示に誤りがあったとして、対象となる約2000本の自主回収を始めた

という。

記事では、浪花酒造が「醸造アルコールをブレンドしていた理由」について、

◇味の均一性を保つため、吟醸酒などの新酒に前年製造した同種の古酒を23%混ぜて出荷していた

◇古酒の在庫がなくなったため、醸造アルコールや糖類の入った安価な酒を混ぜた

という。

つまり、ポイントは「同種の古酒の在庫管理」である。

「味を均一に保つため」というのは、お酒に関わらず、例えば、日本茶でも、気象条件による茶葉の生育の違いが発生し、それをカバーするために、各地の茶葉をブレンドしている。

よく知られている話ではあるが、日本茶、たとえば「静岡茶」といっても、味の均一性確保のために、茶葉には各地の茶葉が、ブレンドされているのである。

(※静岡茶に限った話ではなく、どのブランドもそうである)

日本茶と同じように、日本酒でも味に敏感な「通の顧客」からは「今年のは味が違う」と言われない為に、古酒を混ぜていたのだろう。

ただ、「古酒の在庫が無くなったから醸造アルコールの酒を混ぜた」では、「味を均一に保つため」という発想とは真逆になる。

醸造アルコールで製造された日本酒は、シロウトでも「つん」とした香りがするのでわかる。

ただ、ブレンドしていたのは、数%だから、確かに「醸造アルコールを混ぜてもシロウトにはわからない」というのは、事実だと思うが、「老舗の誇り」はなかったのだろうか?

今回の「発覚」は「酒類の製造・販売免許を管轄する国税庁」による「酒類の安全性を確保するための品質や表示事項の調査(税務調査)」で判明したという。

今回の「偽装事件」を受けて、社長は「再発防止を図りたい」とテレビのインタビューで答えているのをみた。

しかし、「偽装指示は社長だった」とも言われている。

「経営者のモラル」に関する再発防止策は、どのように採るのだろう?

同族経営だけに、「経営者を変える」はできないだろう。

内部通報者制度の創設、外部監査の導入が一般的には考えられるが、浪花酒造がどのように「再発防止策」を打ち出すのが注目したい。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ322号より)


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