2013年2月4日付の共同通信によると、2003年に一部区間が廃線となったJR可部線の新たな一部区間が復活すると言う。
記事によると、
◇JR各社の発足後に廃止された路線が復活するのは全国で初めて
◇復活するのは、終点の可部駅から約1.6キロを電化して延伸する
◇終点には、新駅を設置し、可部駅と新駅の間に別の中間駅も設置する
◇復活区間の沿線は住宅が多い
◇また、安佐北区役所や広島県警安佐北署などの公的機関が集まっている
◇周辺住民らが電化による復活を強く求め、市やJR西日本などが08年から協議していた
◇総事業費は約27億円で、広島市と国が負担
◇JR西日本は駅や線路用地などを市から無償で借り受け、軌道など電車の運行に必要な設備の維持や管理の費用を負担する
◇2013年度中に着工し、15年春の開業を目指す
ということらしい。
ちなみに、可部線は、もともとは、広島市内と三段峡を結ぶ約60キロの盲腸路線だった。
その可部線の一部区間が廃止されたのは2003年12月で、廃止されたのは、現在の終点の可部駅から三段峡まで(約46キロ)で、この区間は乗降客が少なく、また非電化区間だったのだ。
ただ、JR西日本や地元の事情の詳細は分からないが、2003年に一部区間を廃線とする時に、「非電化区間をバッサリと廃線にする」という判断ではなく、「人口増加が見込まれ、区役所や警察署などが密集する可部駅以北の1.6キロ地点までを電化し残す」という判断がなぜできなかったのか?とも思う。
1日あたりの乗客見込み(平均利用者数)は、あらたな中間駅で900人、新たな終点駅で1100人を見込んでいるという。
2003年の非電化区間の廃止当時に、「採算が取れそうな区間は、電化区間として延伸して、そこまでは残す」という判断の方が、今回要する「27億円の事業費」より安くついたはずである。
JR西日本や広島市は「住民サービスの向上につなげたい」「長年の願いがかなった」と単純に浮かれている場合ではない。
事業費の27億円には国費も含まれているのだ。
当時の判断を決して「糾弾する」という意味ではないが、2003年の一部区間の廃線を決定する議論がどのような場で行われたのか、検証する必要はあると思う。
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