経済評論家の勝間和代氏は、あたまの中に200種類ぐらいのよく使うフレームワークが入っていて、自分なりの「経済予測」を立てているという。
もちろん、予測は仮説でもあるが、仮説は知識の組み合わせから構築されるものなので「さまざまな知識、知見、価値観」というデータベースを日々、インプットしておかなければ、有効なフレームワーク思考はできない。

ただ、勝間さんのような「ロジカルシンキングの達人」ならいざ知らず、一般の人が「200種類ものフレームワーク」を常に頭の中に浮かべて、ものごとを思考することは困難である。

また、「何が何でも使えそうな有名なフレームワークを学ぶぞ!」と気合を入れたところで、経済アナリストや経営コンサルタントのように、日常的にフレームワークを駆使してものごとをロジカルに考えている人でない限り、日常業務に忙殺され、学んだ何百種類ものフレームワークは使われずサビつくだけだ。

そこで、まずは、ロジカルシンキングの基礎をなす「7つ思考」を覚え、日常的に「ロジカル思考」ができる地頭を作ることが必要だ。

つまり、ロジカル・シンキングでものごとを捉えて思考できるようになるには、「7つの基本思考」を覚えて、意識し、論理的にものごとを考える習慣を付けることです。

そうすることで、問題設定、問題解決案を自然と頭の中で思い浮かべることができるのです。

それでは、「7つの基本思考」である
◇仮説思考
◇ゼロベース思考
◇ポジティブ思考
◇フレームワーク思考

◇ミッシー

◇ロジックツリー

◇置換力

上記「7つの基本思考」について、以下に概要をまとめてみたいと思います。

以前のメルマガで、「仮説思考」「ゼロベース思考」「ポジティブ思考」「フレームワーク思考」については触れているので、今回は「ミッシー」「ロジックツリー」「置換力」について記述します。

【ミッシー(MECE)】

ミッシーとはとはモレなくダブりがないという意味の英語(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)の頭文字をとったものです。

例えば、人間を男と女で分けるとミッシーになります。

ところが、人間を男と女と子供で分けるとダブリが生じてミッシーになりません。

また、人間を老人と子供で分けるとモレが生じてやはりミッシーになりません。

ポイントは、

◇モレが生じれば機会損失につながりますし、逆にダブりが生じれば効率性の低下に繋がる

◇通常一つの対象に対してミッシーな切り口は複数あるので、目的に適した切り口を選ぶ必要がある

◇厳密なミッシーを求めすぎる必要はない

(ミッシーにすることを目的化しても意味がない)

◇あまり重要でない細部は切り捨てて、「ミッシー感」を大切にすればよい

です。


【ロジックツリー】

ロジックツリーとは、ことばどおり論理を構成するツリーです。

ロジックツリーは、顕在化している問題の事象から、問題の真の原因を見つける上で、役立ちます。

例えば、「ダイエット」をロジックツリーにすると、

1)カロリーの摂取量を減らす

→食物の摂取量を減らす

→食物の体内への吸収率を下げる

2)体内の不要蓄積物を除去する

→脂肪を除去する

→脂肪以外の老廃物を除去する

3)カロリーの消費量を増やす

→放出量を増やす

→基礎代謝率を上げる

となります。

さらに、分解していくと、さらに具体的な方法が見えてきます。

ポイントは、

◇問題の全体把握が容易である

◇議論のずれを修正できる

◇議論の目的がはっきりする

ことです。

【置換力】

置換力とは、「成功事例や失敗事例から導き出された法則を自らの環境に置き換えて咀嚼し適用する力」です。

これは私の造語なのであるが、論理展開パターンとしては演繹法である。

例えば、「万有引力の法則」がある。

だから、「月の満ち欠け」は起き、「りんごが木から落ちる」という考えは、まさに置換力である。

ポイントは、

1)一般法則の本質を正しく理解する
2)一般法則を自分の状況に対する一般論に置き換える
3)自分に対する一般論を自分が役立てたい具体論に置き換える
プロセスを理解することです。

これらの思考パターンを頭に浮かべて日常の出来事を捉えると、「気づき」を得る機会も増え、ロジカル思考の地頭が醸成されていくのです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ304号より)

『ちょロジ ニュースで学ぶ7つの思考法』(パブラボ刊)

http://www.publabo.co.jp/chologi/



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