一般的に「このお店でお買い物をすれば安心」と私たちが感じるのはどんな条件がそろっているお店であろうか?
ざっと思いつくまま並べると、
◇いつも混雑していて繁盛している
◇評判サイトなど利用者の評価が高い
◇知名度がある
◇創業が古く老舗である
◇過去に利用して満足した
・・・
などはオーソドックスなところだろう。
最近であれば、これらに加えて、
◇顧客情報など個人情報の管理がしっかりしている
◇品質管理がしっかりしている
◇社会貢献を積極的に行っている
◇「お家騒動」などその企業内がぎくしゃくしていない
◇法規制順守はもちろんコンプライアンスが守られている
・・・
といった条件を挙げる人がいるかもしれない。
私の場合は、「安心感や信頼感が欲しい買い物をする時」は、上記に加えて、
◇苦情や要望をちゃんと受け付けて改善する体制がある
◇環境管理を含め業務のムダなど見つけて常に業務改善を実施する体制がある
◇製品回収に繋がる品質トラブルが少ない
◇労働災害など安全トラブルが少ない
といったことを『安心感を求めたお買い物をする時の目安』にしている。
実際の所、例えば、比較的よく利用するレストランやホテルで、過去に利用した際にそのお店に出した要望が、次回利用時には改善され、フォローされていると、「やるじゃん!」と内心ニヤッとして、また利用したくなる。
しかし、せっかくアンケートに「改善点」をたくさん書いたのに、まったく検討された雰囲気がまるでない、あるいは、同じようなプチトラブルがまた発生した、といったことが発生すれば、「そのレストランやホテルを他の理由で利用せざるを得ない」(例:その地域にそこしかない、値段が安い、料理がめちゃめちゃ美味い、友人や知人の紹介などしがらみがある、など)場合を除けば、「次回利用はまずない」だろう。
先日、あるインターネットショッピングサイトで、買い物をした。
その商品は「リアルな店舗」でも購入できるが、「買いに行く都合」を考えると、ネットの方が早いと思ったのだ。
詳細は省くが、結果論として「ネットショップで買うより、リアルなお店に直接出向いた方が早く手に入った」のだ。
そこで、ネットショップにいくつかの苦情を申し入れしてみた。
すると、
◇「この部分にこう書いてある」といった説明に終始
◇メールでやり取りをしたが担当者名が名乗られない
といった状態で最後まで「わかりずらい点があったと思うので改善していきたい」という返事は引き出すことができなかった。
おそらく、「約束通り商品は届けたんだから文句ないだろ」との想いがあるのだろう。
想像であるが、もしかしたら、こうした利用者からの声(苦情や要望、問い合わせ)を組織内でちゃんと受け付けて、社内にその情報を連絡し、検討する場もないのだろう。
そう考えると「このサイトではもう二度と買い物はしないぞ!」と思う。
こうしたことのように「組織体制の安心感」を私たち一般の消費者が見分ける手段のひとつとして「マネジメントシステム認証制度」がある。
いわゆる「ISO9001」や「ISO14001」「エコアクション21」といったロゴマークが会社パンフレットや名刺、看板などに貼付されたお店(組織)である。
私の場合、健康診断を受診する際やビジネスホテルを選ぶ場合などで、積極的に「認証された企業」を利用している。
しかし、認証制度を普及させようとしている関係者の宣伝など広報上の問題なのか、認証を取得している企業が取得していない企業と比較してメリット(有意性)がないためか、『一般の人がモノやサービスを購入する時の選択の基準』になっていない。
これは、非常に残念なことであるし、認証制度の危機である。
理屈で考えれば「苦情を挙げたら改善される態勢がある」「事故が起きても再発防止をする体制がある」といったお店(組織)からモノやサービスを買う方が長いお付き合いをする上では安心であるはずだ。
しかし、現実には、一般に『認証された企業で買い物をしよう!』という考えは浸透していない。
以前、あるマネジメント認証を取得している医療・福祉系機関に訪問した際に「顧客満足度を上げることや職員間で改善点をせっせと挙げて地道に組織の質的向上に向けて賢明に取り組んでいるつもりであるが、患者さん(ユーザー)の選択基準になっていないのであれば、こういった取組みに対するモチベーションが維持できない」と業務改善の事務局部門にこぼされてしまった。
確かにその通りであろう。
「マネジメント認証を取得している組織」が、冒頭に挙げたような「買い物をする時の安心感や信頼感」として「選択の基準」に私たち一般ユーザーが考えるような認証制度にしていかなければ、制度としては「終わっている」と言えるだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ278号より)
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