現在では、ある程度の組織規模になると、国際規格や国家規格、政府や自治体、公益法人などが定めたガイドラインに基づく「なんらかのマネジメントシステム」を導入して、経営マネジメントシステムの継続的な改善を目指している。
中小零細企業においても「“俺の代で店じまい”と考えるオーナー会社」「経営者の個人事務所的な会社」でもないかぎり、成功した人の経営哲学や著名な経営学者の経営理論を学んで、会社を成長させるための教育を実施し、ノウハウを蓄積させる活動をしている。
つまり、こういった活動に熱心な会社は、商工会議所や中小企業団体、業界団体に所属して、「経営に役立つ情報収集」をしている・・・はずである。
しかし、こうした団体でセミナーを担当されている方に聞くと、「経営指針作り」や「人脈形成」「マーケティング」といったタイトルの勉強会の集客は高いが、「経営の仕組み作り」や「業務改善」といったタイトルの勉強会は集まりが悪いという。
さらに「経営システムの認証取得」といったタイトルの勉強会では、さらに集まりが悪いという。
この原因は、
◇仕組み作りは、すぐに形骸化して役に立たなくなる
◇業務改善は地道な活動で、成果がすぐに見えてこない
◇従業員教育してもすぐに辞めてしまう
◇従業員に考えさせることは効率を落とすことで経営者の指示に従わせた方が有効
◇地道な活動に時間を割くよりも、自社の成果に繋がる人とマッチングした方が早い
といった考えがあるようである。
仮に組織の発展には「仕組み作りが重要」「業務改善が大事」と考えたとしても、「認証取得」と銘打った勉強会であると、
◇審査にパスすることが重要
◇認証取得は審査のための資料づくりが中心となり生産性がない
といったイメージになってしまい「継続的改善が効果的に機能する業務の仕組みを作り、その延長線上に審査がある」という発想にはどうもならないらしいのだ。
つまり、多くの日本人の感覚として、
『試験に合格することと現実の能力は別物』
という概念が強く、「認証制度」が絡むと「経営改善」と関連してこないようなのだ。
これは、私が「気づきブログ」や「自分を変えるロジカルシンキングのススメ」といった情報発信をしていても、一部の読者からは、その想いや概念が透けて取れる。
例えば、私は、「組織が成功するための重要な活動のひとつとして、マネジメントの原則を理解し、適切なマネジメントシステムを構築し運用改善することが必要」と考えている。
その考えを、一般的にわかりやすく伝えるための手段として、「時事ネタ」つまり「ニュースで話題になった出来事」を取り上げて、そのニュースの中に内在する失敗例や成功例をロジカルシンキングで「マネジメントの原則で捉えなおすと何がポイントとなっているのか」を説いている。
つまり、大げさに言えば、「人がマネジメントの原則を身につけることで、ビジネスだけでなく、日常生活においてもその原則を自分の身の回りのことに置き換えて、豊かに暮らすことができる」、と考えている。
しかし、ブログやメルマガ読者からの感想を通じて、一般的には「マネジメントの原則=ビジネスの世界の話」となってしまい、日常生活にも応用できる便利なツール、という意識にはなかなかならないようなのである。
さらにいえば、ISOなど「認証制度(審査登録制度)」と絡む話題になると、一気に「行政手続きのような形式的なもの」となり、「経営改善」からも程遠い世界の話になってしまうようなのだ。
それにしても、「言葉が持つ印象」とは恐ろしい。
例えば、日本人が「試験」や「審査」といったものから受ける一般的イメージは「現場の実力とは異なるもの」「許可や資格を得るために受けざるを得ない制度」「あら捜し的にチェックされるもの」といったものであるようなのだ。
2010年に通称「もしドラ」というドラッカーのマネジメントを題材にした岩崎夏海氏の小説が大ベストセラーになって「マネジメントの原則が高校の野球部の部活動にも応用できる可能性」について世間に認知されたと思った。
しかし、「この小説のモデルはAKBの峰岸みなみさんだ」とか「岩崎さんは秋元康氏に師事していた」と言う印象しか世間にはないのかもしれない。
まだまだ「マネジメントの原則=ビジネスのみで活用できる理論」と思われていることが残念でならない。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ232号より)
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