『警視庁が作成した「取り調べ教本」作成の背景』
2012年12月13日付の各紙が報じていたが、「警察庁が、虚偽の自白を生まないための手法をまとめた教本を作った」という。
つまり、「取り調べについての“虎の巻”」である。
作成理由は、
◇虚偽の自白問題となる事件が相次いだこと
(例:2010年3月に再審無罪が確定した足利事件など)だという。
◇取り調べ技術の伝承が難しくなってきた
(団塊の世代のベテラン警察官が大量に退職した)
◇若手警察官を中心に他者から情報を聞き出すコミュニケーション力の低下が著しい
という危機感があるという。
また、記事によると、教本は、
◇心理学者や科学警察研究所などの意見を取り入れながら1年以上かけて作った
◇人間関係の基本が説かれていて、ベテラン捜査員からは「時代がかわった」との声が上がっている
◇A4判23ページで、最初は、警察学校に配付予定
◇容疑者や参考人への接し方や、虚偽供述を誘導しないための手法などが具体的な事例を交えて書かれている
という。
記事を読んだ感想としては「えっ!今まで取り調べに関する教本がなかったの?!」である。
検挙率が高く、治安が良いとされる日本において「警察」の果たす役割は大きいと思うが、そんな巨大組織において「取り調べ」という捜査の「イロハ」が「教本」という書きものとしてバイブル化されていなかったことは驚愕の事実である。
やはり、日本人は「先輩の仕事を見て盗め」という精神文化が根強い国なんだなぁ、とあらためて実感しました。
教本の中身のひとつとして記事で紹介されていたのは、「取調室で取調官と向き合った時の容疑者らの心理状態。
心理状態としては、
◇相手(取調官)に良く思われたい
◇大切な人を守りたい
◇早く取り調べを終わらせたい
などと思っているので、「自分に不利なことであっても虚偽の供述をする可能性が十分にある」と教本には記載されている。
その他にも、
◇自身の態度や精神状態が相手にも影響を与えるとされる「ミラー効果」
◇虚偽供述を判別するサイン
(例:視線をそらす、自分の体を触る)
◇「取調官と供述人」の関係から「個人と個人」の関係へ
◇落ち着いてゆっくり話すこと
(例:取調官が冷静さを失えば、相手も興奮する)
といったことが教本には、掲載されているという。
これらは、コミュニケーションを学んだことがある人なら「基本中の基本」であるが、こうした取り調べのポイントが、いままで「文書化されていない“伝承”で警察官に教育されてきた」としたら、「虚偽の自白問題という悲劇」を数多く生み出してきたことも、「必然」なのかもしれない。
わたしは、仕事で色々な会社を訪問しているが、こうした「仕事の重要なポイント」を文書化した「勘所集」的なものは、警察だけでなく、数年前から多くの企業でも重要視され、どんどん作成されている。
やはり、その契機となっているのが、
◇いわゆる「飲みニュケーション」の減少
◇団塊の世代の大量退職
◇少子化による円滑な対人関係が苦手な人が増えている
といった社会的背景である。
今さらであるが、個々人が持っているノウハウを組織のノウハウとして「業務手順書」などに落とし込み、「技術の伝承と改善」がうまくマネジメントされた組織が生き残っていけるのであろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ311号より)
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