2012年12月12日に、兵庫県尼崎市の連続変死事件で、拘留されていた「角田美代子容疑者(64)」が留置場で自殺した。
このニュースを聞いた瞬間、「兵庫県警はなんという失態をしでかしたんだ」と憤りを感じ、容疑者の管理体制の検証を早急に進めるべきだ、と感じだ。
今後であるが、この自殺によって、「角田容疑者」は、容疑者死亡という扱いになり「不起訴処分」となるらしい。
すると、共犯者として逮捕されている何人かの容疑者についても「不起訴」となる公算が高いというのだ。
刑事訴訟法などの法律の手続き論の観点でいえば、そうなるのだろうけれど、社会的な道義的論でいえば、おかしい。
本人は主犯格でないとしても、「変死事件に関わった」のだとすれば、何らかの刑事罰を与えられなければ社会秩序は乱れてしまう。
それにしても、検証すべき最大の点は「角田容疑者の拘留中の監視体制」であろう。
各ニュース報道の情報では、
◇角田容疑者は「生きていても意味がない」と自殺をほのめかしていた
→その結果、10月23日から1時間当たりの巡回回数を4回から6回に増やした
◇取り調べに対してほぼ否認しており、供述調書が殆どない
◇留置されていた3人部屋には監視カメラがない
→監視カメラがある部屋も他にはあった
→プライバシーの問題などから、角田容疑者には監視カメラは必要ないと判断した
→精神的に落ち着く、異変に気づきやすいため3人部屋に収容していた
◇見回りの際に布団を首が隠れるほど覆っていたのに注意しなかった
といった様子が知らされている。
これらの情報より、結果論かもしれないが、一番問題があったのは「就寝時の見回り方法」にリスクがあったと考えられる。
確かに、起きている間の精神状態は、他の容疑者との相部屋であることで確保されたかもしれないが、寝ている間の異変は、相部屋であっても、機能するわけがない。
だから、看守の見回りが重要になるのだ。
看守が、見回りの際に「寝息を立てていたから安心して布団を首まで覆っていることを注意しなかった」というのは、看守の重大な認識不足である。
「10分間隔での見回り」であれば、十分「自殺可能」である。
「布団を首まで覆うことのリスク」に対しての認識が甘く、力量不足の看守を見回りに付けていた組織の管理体制を兵庫県警が問われるのは当然であろう。
角田容疑者の自殺により、変死した遺族はもちろん、わたしたち国民にとっても、事件の真相は闇となってしまう可能性が高く、残念でならない。
「容疑者の自殺」といえば、ハワイで逮捕されたロス疑惑事件の故三浦和義氏の件が思い出される。
三浦氏の場合は、一応、刑事裁判的には決着がついていたが、角田容疑者の関連する容疑についての真相究明は、これからだった。
私たちの社会生活を安全で豊かなものにするという観点で、社会科学、人間科学、犯罪心理学といった関連する学問的見地の研究も重要だったはずであり、兵庫県警の犯したミスは大きい。
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html