2012年11月28日付の朝日新聞デジタルによると、「全日空の国内線で、2013年2月搭乗分のすべての座席指定が無効になっていたことが11月28日にわかった」という。
記事によると、
◇座席指定が無効になった原因は、担当者がシステムの設定を誤ったこと
(システム担当者がデータを移行する際に座席指定部分のデータを含めなかった)
◇無効になったデータ件数は、予約客約10万6千人分の座席データ
◇全日空によると、失われたのは11月26日午後6時までに予約された分
◇航空券の予約自体は確保されているが、全ての予約分で座席指定をやり直す必要がある
◇全日空は11月26日から自社のホームページにおわびを掲載した
◇メールアドレスが分かっている予約客や旅行会社には(直接)連絡している
という。
わたしは、情報システムの管理については専門家ではないので、あくまでも一般論であるが、
◆手動でデータを移行するシステムがある
◆バックアップデータがない
ということは驚愕の事実である。
データのボリュームが少ない中小企業における情報システムならいざ知らず、毎日、何万人もの人間がアクセスし、何万件ものデータが更新される全日空(ANA)の情報システムで、そんなことがあっていいの??という感想である。
仮に、「担当者の手動によるデータの移行作業」が、予約データ管理のプロセスにあるとしたら、情報管理システム上は「大きなリスクをともなう可能性があるプロセス」である。
おそらく、この「担当者によるデータ移行プロセス」は、イレギュラー業務ではなく、「通常業務のひとつ」なのだろう。
したがって、このミスは「ルーチンワークにおける思い込みによるポカミス」だと思われる。
また、「座席指定予約」に関するデータについて「バックアップデータがなかった」ということも驚くべきシステムである。
担当者が手動でデータを移行する業務プロセスがあるとしたら、当然「ポカミスによるデータ消失というリスクに備えてバックアップデータをとる」という情報システムが必要である。
ちなみに、全日空では、こちらのURL
http://www.ana.co.jp/topics/notice121126/index.html
に2012年11月28日付のお詫び文(【お詫び】2013年2月の国内線航空券をご予約および座席指定済みのお客様へ)が掲載されていました。
お詫び文には、「データ消失対象者」や「対象者によるデータ消失に関する対応処置」と「再発防止に努める」旨が書かれていた。
しかし、個人的には、「座席指定データの消失原因」は掲載されていないし、「データを消しちゃいました、ごめんなさい」というレベルのお詫び文で、「誠意と説明責任」という観点では、プア(不十分)な印象を受ける。
この件に関する、ANAの今後の対応状況(例:具体的な再発防止対策の公表など)に注目したい。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ309号より)
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