20121125日に山梨県の河口湖をスタート・ゴールとする「第1回富士山マラソン」が開催されました。

この大会で前代未聞の事態が発生しました。

それは、「約5000人が会場周辺の交通渋滞のために出走できなかった」というのです。

ちなみに、この大会は、昨年までは「河口湖マラソン」として、36回の歴史を誇る伝統の大会でした。

その大会を、発展的解消し、コースも従来の「河口湖2周」から「河口湖・西湖」に変え、参加者数も約1万人増やして、フルと河口湖1周の部を合わせて23,000人を定員とした新しいマラソン大会としてリニューアルしたものでした。

当日の様子について、Webサイトや掲示板などの情報をまとめると、

◇約5千人が渋滞のために会場に到着できずスタートできなかった

◇スタート時刻は、河口湖1周の部が8時、フルの部が815分だった

◇河口湖1周の部が824分、フルの部が850分にスタートを打ち切り

◇スタートの打ち切り理由は、選手が交錯して危険になる恐れがあるため

◇スタート会場付近の駐車場から高速道路までずっと大渋滞ができていた

◇車が全然動かないため、ナンバーカードをつけて中央道を走って会場に向かってランナーもいた

◇大会事務局は、この事態に対して、「参加料を返金する」という対応を発表

(対象者:4969人)

という状況だったようです。

http://www.fujisan-marathon.com/

大会Webサイトによると、大会運営本部、地元警察、関係団体などと検証を行い、次年度以降の大会への反省へとつなげるようです。

わたしは、昨年の旧河口湖マラソンに参加している。

その時の経験も含めて、今回の大会運営の問題点を想像すると、

◇昨年より大会の出場定員が1万人増えて23千人になった

◇宿泊施設が定員に対して少ない

◇大会会場が首都圏から近いため当日移動者が多い

◇大会会場が「湖畔」という特性上、交通渋滞になると逃げ道がない

と言った点が考えられます。

つまり、端的には、

『大会関連インフラに対して適切な出場定員ではない』

ことが問題点だと考えます。

ここでいう「大会関連インフラ」とは、宿泊施設、周辺道路、周辺駐車場などです。

宿泊施設に関しては、旅行代理店が振り分ける形式をとっていましたが、河口湖だけでは収容しきれず、石和温泉など「前泊といっても当日は会場まで車で移動」しなければならない宿泊施設を含めなければ、収容できません。

したがって、「河口湖に泊まれないなら・・・」と当日移動を選択したランナーも多いと思います。

また、高い運営サイドは、大会エントリー時の「移動手段」に関するアンケートから車での来場者数を予想して駐車場を確保していたようです。

したがって、駐車場の総数は実際の車の台数を上回っていたようですが、「駐車場渋滞は高速道路までつながっていた」というほどなので、「来場者の集中時間帯とそれに伴う渋滞規模」の想定と対応は不十分だったと言えるでしょう。

また、公共交通機関(鉄道)の問題もあります。

会場最寄駅は、会場まで徒歩15分ほどの「富士急行の河口湖駅」になります。

富士急行の始発列車の河口湖到着時刻が「714分」なので、スタート時刻(河口湖1周は8時、フルは815分)を考えると「鉄道による当日移動は事実上不可能」です。

一般的なフルマラソンの大会では、スタート時刻は「9時」あるいは「10時」の大会が多いのですが、河口湖マラソンは「8時(フルは815分)」と早い。

この「スタート時刻が早い」理由は、おそらく、地元への経済効果を考えて、「河口湖周辺のホテルに前泊して大会に出場してもらう」ことを前提とした、スタート時刻の設定になっているからだと思います。

しかし、前述したとおり、

◇宿泊施設が少ない

◇首都圏から近い

こともあり、「車による当日移動者を増やす要因」が生じています。

その上、今年は、出場定員が従来より1万人増えています。

これでは、「大会の朝」に会場周辺で大渋滞が起きることは目に見えています。

つまり、「出場定員を増やしたこと」にも関わらず「スタート時刻が変更されていない」ため、当日の鉄道移動者はおらず、余計に車での来場者が増えて混乱を拡大させた、と言えると思います。

こうして、「富士山マラソンの運営を検証」していくと、大会マネジメントの不備が多々あると思います。

大会企画段階で、もっと想定される事態の検討と妥当性の検証がきちんと実施されていたなら・・・と思います。

このことは、富士山マラソンだけでなく、他のマラソン大会やイベントにおいても「適正な大会運営」、「トラブルの未然防止」と言う観点から参考にすべき出来事です。

数多くのマラソン大会に参加したわたしの経験からいえば、富士山マラソンに限らず、意外と、大会の歴史が古い老舗の大会でも「想定不十分」な事態はあります。

富士山マラソンは「定員増加とそれに対する想定」が甘かった訳ですが、たとえば、「雨天時の想定と対策」が不十分な大会もよく見かけます。

具体的には、「荷物預かり所」、「ゴール地点」、「更衣室」、「トイレ」などの動線が「晴天時想定」で「雨天時が考慮されていない」ケースです。

ゴール後、ランナーは、筋肉が固まり動けなくなるランナーもいますが、動線が悪く、雨のために低体温症を引き起こして救急車が出動した例を私は何度か目撃しています。

こうしたイベントは「年に1回」のことなので、なかなか「運営ノウハウ」が蓄積されにくいですが、つくづく「イベントにおけるマネジメントの必要性と重要性」を感じる今日この頃です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ309号より)


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