『トヨタ自動車が関連会社に「環境経営システム導入」を勧める3つの狙い』
2012年6月頃にトヨタ自動車環境部が、関連会社である自動車販売会社やレンタカー・リース会社などに対してISO14001やエコアクション21に基づく「環境経営システム」の導入を推奨する通達が出したという。
『環境経営』と聞けば、一般的には、
◇環境を意識した経営戦略
◇環境配慮型の製品作りを志向する経営
◇地域清掃活動など環境に配慮した社会貢献を実行する組織
といったイメージが湧くようである。
実際、環境経営を導入している企業のパンフレットや広告でも、よく紹介されている活動事例は、
◇利益の一部を環境団体に寄付している
◇社員の多くを動員し、植樹活動に協力している
といった「まさに地球環境に組織の身を削って(利益の一部を還元して)貢献する企業」という活動ばかりがクローズアップされている。
そんなこともあってか、私が友人・知人に「環境経営って聞くとどんなイメージが湧き、具体的な活動って何をやっていると思う?」と尋ねれば、「地球人のひとりとしての責務を果たすこと」だとか「社会貢献活動だよね」という回答が多い。
要は「環境経営とは本業とは程遠いもの」という認識なのだ。
まだ、それでも「ものづくりの製造業」であれば「省エネ・省資源・長寿寿命設計の製品作り」とか「製造工程の改善に伴うエネルギーロス削減、廃棄物削減」とイメージが湧くらしい。
しかし、「事務活動が中心の商社や不動産業、賃貸業などサービス業」ともなると、もう、まるで本業との関わりを持つ具体的な環境活動はイメージが湧かないらしい。
話を「トヨタ自動車」に戻すと、トヨタ自動車が関連会社である販売会社などに環境経営導入を推奨する目的は、大きく3つあると言う。
それは、
◇健全な人材の育成のため
◇業務改善体質を定着させるため
◇職員ひとりひとりがコスト意識を持ち、かつ経費削減につなげるため
なのだという。
つまり、逆にいえば、これら「3つの目的」を達成するためのツールとして「環境経営システムは有効性があるマネジメントシステム(経営管理の仕組み)」として捉えているわけだ。
さらに、加えれば、「この3つの目的が達成できないのであれば環境経営システムは有効なツールではない」という発想なのである。
上から目線に聞こえるかもしれないが、個人的には、トヨタ自動車のこのような環境経営システムの捉え方は真っ当であろう。
つまり、販売会社やレンタカー会社にとっての「本業を通じて顧客サービス向上や社会貢献につながる環境活動」を認識・自覚してもらい、新たなサービスの創出や業務改善をより推進し、先に挙げた「3つの目的」を果たして欲しい、という狙いであろう。
私は、この「トヨタ自動車環境部の決断」を聞いた時に、「社会的に影響力のある大トヨタさまが環境経営を関連会社に推奨することで、世の中にちゃんとした環境経営が根付くといいな」と思った。
なぜなら、「環境経営システム」の本質と世間の多くが認識する実態は、極めてかい離しているからです。
この「意識のかい離」ほど厄介なものはない。
映画「宇宙兄弟」のいちシーンで例えれば、『コーラの瓶にコーヒー入れて知らずに飲むと「腐ったコーラ」だと瞬間的に感じる』のです。
つまり「本来は美味しいハズのコーヒーも想定イメージと違うと腐ったコーラ」のように感じてしまうのと一緒で、現在の「環境経営」の実態は「本質的な目的が半減している存在」です。
それにしても、「環境経営」のように「一度、強烈に(誤った)認識してしまう」と「その認識を(正当なものに)改めるには最初に学んだ何倍もの時間が掛かる」という事実にあらためて唖然としてしまうのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ298号より)
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