先日、社会福祉関連の独立行政法人に勤務している友人と雑談している時のこと。
別れ際に「来週、職場に行くのが、あー憂鬱・・・」というようなつぶやきをしたので、「どうしたの?」と聞いてみた。
聞くと、今、職場では、全正規職員に対して「業務改善提案」の大号令が出ていて「改善プロジェクトチーム」に入れられているのだと言う。
この話を聞いた時に、わたしも、以前、業種は違うが「公益法人」と呼ばれる組織に勤務していたので、「時代は変わったなぁ」と思った。
昔のイメージなら「公益法人」はもちろん「自治体、都道府県庁、国家機関」といったいわゆる「行政庁職員」が働く組織において「業務改善を組織として推進する」という概念は基本的に無い。
私の在職時のイメージでいえば、新入職員として入職すれば、職務遂行上、必要不可欠な知識や業務手順を教えられれば、あとは目の前の仕事をこなすだけで、原則的に、その「仕事のやり方を変える」という発想はなかったからだ。
友人に、続けて聞くと「ひとり数件の改善案を出すこと」がノルマとして上司から指示されているが、まるで思いつかないという。
さらに、続けて「想い」を聞くと「別に変えるべき仕事なんてないと思うんですよね。ただでさえ忙しいのに、そんなことに時間を使う意味があるのか・・・」というようなことをいう。
そこで、わたしは、「あくまでも一般論だけど・・・」と前置きした上で、
◆「AさんまたはBさんがいないと仕事が回らない」業務
◆「同じような仕事なのに人によって仕事の処理速度が極端に違う」業務
を洗い出してみて・・・。
それが、「業務改善すべきネタ」だから。。。
とアドバイスしてみた。
すると、「そういう仕事はいくつもある。だけど、それって改善につながるの??」という。
たぶん、友人にとって、上司から「業務改善提案を挙げろ」と言われれば、自分の権限が及ばないような大きな改革(例:人事制度、昇進制度、給与制度、職場環境など)をイメージしたのだろう。
私は、友人に、
「もちろん、人事制度改革なども組織を改革する上で重要なことだけど、全社的に取組んでいる改善提案なら、たぶん、もっと身近な業務レベルの話だと思うよ。キーワードになるのは“業務の効率化”や業務ミス削減“でそれに繋がる改善提案を指しているんじゃないかな?」
などと伝えた。
私の話しの中で、友人にとって「青天の霹靂」だったのは、「AさんやBさんじゃないとできない仕事を減らすこと」が「業務改善」だとは思っていなかったようで、むしろ「Aさんじゃないとできない、Bさんじゃないと扱えない」というように「仕事を専門化すること」が「あるべき姿」と考えていたという。
もちろん、たとえば、「研究職」のように「専門化すべき仕事」もありますが、公益法人の一般業務において「専門」と呼ばれる仕事であっても「2年も3年も経験を積まなければ1人前の仕事ができない仕事」などない。
友人曰く、「うちの上司は業務改善の目的もイメージが湧く内容も話さないから訳が分からなかったんですよね。だけど、ちょっと霧が晴れた」という。
きっと多くの組織で「業務改善プロジェクト」なるものをスタートする時の「プロジェクトチームに入れられた人」の心境や想いはこんな感じなんだろうな、と思う。
つまり、まだまだ「業務改善」というものに対する「正しい認識を広めていく活動の余地」はゴマンとあるのだ。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ306号より)
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