2012年11月19日付の埼玉新聞が「建設残土置場が崩落し、押し流された土により住宅2棟が全壊し、諏訪川の谷間が下流へ約350mにわたって埋まった」ことを報じていた。
記事によると、
◇建設残土が崩落した場所は、埼玉県皆野町金沢のの山林内
◇建設残土が崩落した日時は、2012年11月16日(午後6時過ぎ)
◇死傷者は発生しなかった(住宅所有者の73歳の女性は不在だった)
◇崩落した残土は幅20mから50m、長さ350mで、広葉樹やスギ林をなぎ倒した
◇建設残土置場に要壁などはなかった
◇建設残土置き場は皆野町内の土木工事業者が、県秩父農林振興センターから林地開発の許可を受けていた
(2011年9月中旬に許可を受け、2012年10月末までに約5万立方mの残土が運び込まれていた)
◇県秩父農林振興センターは「業者には応急処置をさせ、早急に現状回復などの計画書を出させ、関係機関と協議して対処する」としている
◇地元では(県の行政機関に)『中止させてくれ』と申し入れたことがある
という状況。
記事から状況を推測すると、建設残土は不法投棄ではなく、きちんと所管の許可を得ており、建設業務の手続き上に違法性はない。
しかし、事故は発生してしまった。
再発防止の観点で、この事故の問題点の可能性を挙げてみると、
◇県秩父農林振興センターが残土の崩落リスクを見落としていた
◇地元の土木施工業者が残土の崩落リスクを見落としていた
◇地元からの陳情(工事の中止)について行政機関は適切に対応していなかった
といったことが考えられる。
埼玉県に限らず公共工事の発注の場合、施工能力の有無が問われ、当然の話であるが「能力が十分ある」という業者に工事はは発注される仕組みである。
特に埼玉県の場合、工事業者の評価について、品質や環境マネジメントシステムの有無を評価項目として加点している。
この土木施工業者が環境マネジメントシステムを導入していたかどうかは定かでないが、仮に導入していたとしたら、建設残土置場の環境リスクについて評価するマネジメントシステムがないか、あるいは、適切な評価をしていなかったのではないかと思う。
また、埼玉県秩父農林振興センターも、建設残土置場の許可を出すにあたって、リスクを評価するマネジメントシステムが確立されていなか、あるいは、適切な評価をしていなかったし、建設残土置場の近隣住民という利害関係者の声(要望)に適切な対応を実施する機能が働いていなかったのである。
建設残土置場の許可をした埼玉県秩父農林振興センターと土木施工業者は、この事故発生についての発生原因についてきちんとした説明責任を果たすべきであるし、工事現場におけるリスク評価と対応手順について見直しを実施するべきであろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ308号より)
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