20121114日の党首討論において野田首相は自民党の安倍総裁に対して「定数削減は来年の通常国会で必ずやり遂げる。ご決断をいただくならば、今週末の16日に解散をしてもいい。後ろに区切りを付けて結論を出そう。16日に解散します」と明言した。

これで「1116日の衆議院解散」が事実上決まった。

メディアが報じたところによると、党首討論で解散時期を首相が明言したことは憲政史上初の出来事なのだと言う。

この野田首相の行動に対して、町の声は「よく言った」「近いうちの約束を守った」と評価の声も高いという。

おそらくその理由は、「衆議院定数の是正」、「赤字国債発行法案成立」、「社会制度改革国民会議の発足」という条件を引き換えにした野田首相の「演説的な党首討論」での姿だろう。

アメリカのオバマ大統領も4年間の政策的評価はキビシイものがあるが、大統領選前後の「演説」は上手く、一気にアメリカ国民の心をつかんだ。

私は「瞬間的な感動」をあまりしないタチなので、野田首相やオバマ大統領の演説を聞いても「自分の演説に酔ってるだけだなぁ」と冷めた目でしか捉えない。

しかし、一般的には、政治家のスキルとして「聴衆に訴えかける演説の巧みさ」は重要な要素なのだろう。

それにしても、この「急な解散宣言」により慌てたのは「第三極」と言われる位置づけられる各政党であろう。

「増税と減税」で「政策の方向性が対極にある」と見られていた「太陽の党」(石原慎太郎共同代表)と「減税日本」(河村たかし代表)が15日の会談で合流した。

また、同じ日に、「日本維新の会」と「みんなの党」が政策協議し、大筋で合意が図られたらしい。

そして、「国民の生活が第一」と「新党きづな」(内山晃代表)も内山代表を除いて合流した。

解散総選挙が現実となり「一致団結」しなければ、既存勢力に対抗できないというのが「第三極」各党の本音だろう。

「野合」との批判もあると思うが、「政治は数」なので、各党は「現実的な選択」をしたのである。

メディア戦略を考えれば、橋下氏が率いる「日本維新の会」と石原氏が率いる「太陽の党」などの合流は得策であろう。

変な話、選挙がある「1216日」まで報道は「選挙一色」になるから、合流することで、話題性は抜群になる。

だから、1993年の第40回衆議院総選挙の日本新党ブームのように旋風を巻き起こすであろう。

ただ、2009年の衆院選では「政権交代」という民主党のキャッチフレーズのもと、多くの国民は「社会保障の充実」「公務員制度改革」「内需拡大による景気浮揚」などを期待した。

しかし、今回は「多くの国民の期待」の受け皿となるキャッチフレーズや旗印となる「キーワード」が見当たらない。

世論調査では、自民党の政党支持率が高いようであるが、これは「消去法的選択」である。

ここ数日で、「民主・国民新党グループ」、「自民・公明グループ」、「日本維新などのグループ」、「国民の生活が第一」と大きく4グループに集約されるだろう。

本来であれば「各党が掲げる政策」を私たち国民は吟味しないといけない。

しかし、選挙となると、現実的には、有権者に対して「国民生活をよくしてくれる期待感」を巧みにどれだけ引きつけられるかである。

各党が「どんな手段で国民の支持を得る政策」を示し、メディア戦略をとるのか、注目していきたいと思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ307号より)


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