先日のこと。

ひさびさに企業の「お客様相談窓口」に電話してみた。

私は、お節介なようで、結構、面倒くさがり屋なので、自分が購入した商品に不具合があっても「やり取りや手続きが面倒だし、まっ、いっか。」とほったらかしにする。

つまり、電化製品であれば、保証期間であっても「ディスカウントショップで買った安物製品だし、次を買えばいいか」というパターンだ。

話は逸れるが、企業に対してコンサルティングをしていると、こういうお客さまは一番厄介だ。

製品やサービスに対する真の情報が企業に上がってこないから、対処しにくい。

些細なことでも、気づいた点について意見や苦情を言ってもらった方が、直接の責任部門や担当者は嫌だろうけれど、「業務改善指導」をする上では、貴重な情報である。

話を元に戻すと、今回「お客さま相談窓口」に電話した商品は、「ランウォッチ」である。

ランウォッチとは、その名の通り、ジョギングやランニングをする時に便利な、ラップタイムや走行距離、高度などの表示機能が付加されている商品である。

特に、「GPS機能」がついたランウォッチになると、高いものは56万円するし、安いものでも2万円台である。

私は、いろいろ試してみたくて、GPS機能付きのランウォッチを現在3つ持っている。

色々と試した結果、その中で、大きさ的にも、操作性的にも気に行ったあるメーカーのランウォッチ(そのメーカーとしてラン専用ウォッチを企画・設計・販売するのは初めてらしい)を愛用していたのであるが、データがパソコンに取り込めなくなったのだ。

さすがに3万円弱もする商品なので、購入して3ヶ月ほどで、保証期間中でもあることから「お客様相談窓口」に連絡してみたのだ。

最近は、どこのコールセンター(お客様相談窓口)でも採用しているが、このコールセンターでも、「お客様サービス向上のために会話を録音させていただいております」というメッセージが事前に流れた。

その後の窓口担当者とのやり取りの詳細は割愛するが、結果論としては、修理のために発送した日を含めて4日目にランウォッチが戻ってきた。

速く修理が完了したこと自体は大変ありがたい。

しかし、びっくりすることに、梱包仕様が過剰過ぎるのだ。

私は、緩衝材で時計をぐるぐる巻きにして封筒サイズの入れ物で郵送したが、戻ってきた時の梱包は、

◇みかん箱サイズの段ボール箱

◇空気が詰められたビニール製の梱包材がたくさん敷き詰められていた

という状態。

ちなみに、この企業の「環境方針」をウェブでチェックすると、以下の通りだ。

(※ウェブからの引用、ここから)

(前略)

本組織は、環境目的・目標を定め、環境影響を継続的に改善するために次の活動を推進します。
(中略)

1)環境に調和した商品の創出・提供
2)環境負荷低減を目指した全プロセスの革新・構築
  [1]資源・エネルギーの効率的有効活用
(中略)

5]廃棄物の発生抑制とリサイクル・再資源化
(後略)

(※引用、ここまで)

この会社は「環境経営」をウリにしたウェブページを作っているが、あまりにも過剰包装である。

方針では「環境に調和した商品の提供」や「環境負荷低減を目指した全プロセスの構築」と謳われているのに。。。

素人目にも、ここまでの「梱包仕様」にせずとも十分に輸送品質は確保されるはずだし、そもそも、大口顧客であるはずだから、ここまでせずとも輸送品質が確保される輸送会社の選定し、指導をすればいいのだ。

本をネット注文することが多くなって「アマゾンも過剰包装だよな」と常々感じていた。

しかし、今回はそれを遥かに上回るレベルだ。

きっとランウォッチはそのメーカーの中で新商品の部類であり、修理センターに「小物用の包装仕様とシステムが確立していない(まだ対応できていない)」のであろう。

日本の一流メーカーでさえ、このレベルの環境経営なのか、と考えると「がっくり」である。

いままで、内部監査や外部監査で「環境経営に取組んでいる割には環境配慮が足りない梱包仕様であり、改善を要する」といった指摘を受けたことはないのかな、と思う。

それにしても「環境活動が日常業務の中で身近なものとして活かされていない」一例を見てしまったな、と思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ306号より)



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