田中眞紀子文部科学大臣が、2013年4月開校を目指していた3校の新設大学の認可をしないことが2012年11月2日の定例記者会見で述べたことが話題となっている。
田中大臣のこの主な理由は、
◇全国約800ある大学の質の低下
◇定員不足を海外からの留学生でカバーするなど多くの大学運営に問題がある
◇このような事態が発生する状況では、大学設置・学校法人審議会に任せられない
というようなことらしい。
田中大臣のおっしゃることは、当然その通りだ。
現状、大学の認可について、「大学設置・学校法人審議会」は「認可条件が揃っていれば原則認める」というのが通例になっており、その後の大学運営(経営)は、各大学に任せる、というスタンスだ。
だから、例えば、
◇新規大学の市場性(学生のニーズ、社会のニーズがあるか、など)
◇新規大学の10年先の将来性
といった点については、おそらく審議していないし、「懸念される状態」にあっても、新設を目指している各大学が事実上、生徒募集活動を開始しており、「ストップをかけるわけにはいかない」となし崩し的に認可してきたのも事実だと思う。
だから、「2013年4月開学予定」を目指して、受験準備してきた受験生や学校当局や予定教員にとっては非常にお気の毒な話であるが、「認可されない事態もある」ということを前提に動いていなければ、文句を言っても始まらない。
個人的には、今回認可されなかった3校である
◇「札幌保健医療大学(仮称)」
◇「秋田公立美術大学(仮称)」
◇「岡崎女子大学(仮称)」
については、短大から4年制になる学校が2校(秋田と岡崎)、専門学校から4年制になる大学(札幌)なので、新入学生のうち、大学として次年度以降、認可された時に、柔軟に「編入学」できる措置をとって欲しいと思う。
(ただ、4年制大学の新設で編入学を希望していた短大生にとってはかわいそうであるが)
ただ、田中文部科学大臣が「審議会のあり方を見直したい」としたことについて、具体的な改革案があるのかどうか現時点では微妙である。
現状の審議会がダメな点などを具体的に挙げなければ、認可されなかった大学関係者はやるせない思いであろう。
また、その辺をはっきりさせなければ、単に「田中大臣のパフォーマンス」に終わってしまい、もしかしたら、年内解散→総選挙となれば、文部科学大臣としての職務は数ヶ月足らずであり、単に「文部行政機能をかき回しただけのオバサン」になってしまうと思う。
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