2012年10月26日付の朝日新聞デジタルによると「朝日新聞出版は、河畠大四・週刊朝日編集長を更迭し、26日付で社長付とする人事を決めた」という。
記事よると、
◇当面は、尾木和晴・書籍統括を週刊朝日編集長代行兼務とする
◇朝日新聞出版は朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」に見解を求めている
◇河畠編集長の更迭は、「同委員会による審議に全面的に協力するため」の措置
◇記事を企画・執筆・編集した関係者を含めた正式な処分は、「報道と人権委員会」の見解を踏まえて決定する
という。
今回の「週刊朝日10月26日号に掲載された橋下徹・大阪市長をめぐる記事」については、完全に「週刊朝日」の分が悪いだろう。
「表現の自由」はあるにせよ、「人権」という観点から捉えると「出自」、「血脈」とその人の「本性」はなんの因果関係もない。
そもそも出自はもちろん、年齢や性別、障害など「本人がコントロールできない事象や事実」を捉えて、人を評価し、決めつけたりすることは、報道機関で決してしてはならない行為である。
個人的には、ノンフィクションライターの佐野眞一氏の週刊朝日のこれまでの連載は「へぇ~」という切り口の力作が多く、興味深く読んできた。
しかし、今回の企画は、読んでいて気持ちのいいものではない。
わたしは、週刊朝日に原稿を寄稿したことはないが、月刊誌などからはなんどか原稿依頼があり寄稿したことがあるが、各メディアとも、寄稿文の内容や差別用語(悪気はなく使っていても)のチェックには厳しかった。
「天下の週刊朝日」で、なぜ、このような記事の企画が通り、文章も掲載されたのか、私は、そのあたりに関心がある。
憶測としては「佐野眞一」というビックネームが執筆しており、チェックが甘かったのではないだろうか。
または、「上」(朝日新聞社)から「橋下ネタを書け」という暗黙の指示があり、週刊朝日としての功名心からチェックが甘くなったのかもしれない。
話は逸れますが、更迭された編集長の「河畠大四」氏を検索すると、ウィキペディアページが作成されていた。
経歴は、1960年生まれで、慶応大学を卒業して入社したのは、小学館で、週刊誌の女性セブンなども担当していたようだ。
その後、1989年に朝日新聞社に転職している。
「週刊誌の記者出身者」は、私も何人か、知り合いがいるが「書籍出身者」「新聞紙記者」よりも「書いたもん勝ち」の精神で育ってきた人が多い。
もちろん、読者からすれば、スポンサーの顔色をうかがった「可でも不可でもない」記事はつまらない。
しかし、「売らんかな主義」「功名心」に歯止めが利かなくなると、「人権配慮」という報道機関としての倫理観が守られ無くなることも時としてあるのだろう。
朝日新聞社の「報道と人権委員会」の結論と再発防止策に注目したい。
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