2012年10月11日の毎日新聞が「家電エコポイント制度」について面白い記事を報道していた。
その報道によると、
◆会計検査院は「制度の目的とは逆に二酸化炭素排出量が年間で約173万トン増えたと試算した
◆環境省は会計検査院の試算に対して「制度の効果を短期的にしか評価していない」と反発している
というのだ。
両者の言い分を整理すると、
(※毎日新聞の記事を抜粋編集)
【会計検査院】
◆エアコンが1台しかなかった家庭が、制度をきっかけに2台目を購入している
具体的には、
◇二酸化炭素が最も増えたのはエアコン
◇期間中に購入されたエアコン約737万台のうち、買い替えは約335万台
◇エアコンは新規購入が約402万台で排出する約243万トンの二酸化炭素が「純増」したと判断
◆冷蔵庫とテレビでは買い替えが新規需要を上回っている
つまり、
◇全体では約173万トンの二酸化炭素が増加した試算した
以上のことから、
「制度は経済活性化などに役立ったが、商品の新規購入や大型化で消費電力が増えることも踏まえ実施を検討する必要があった」
と主張。
【環境省】
◆制度がなければ省エネ効率の良い家電ではなく比較的価格の安い、平均的な省エネ効率の製品が購入されたはず
◆制度により効率の良い製品が購入されたことで、二酸化炭素排出量は削減されると試算した
つまり、
◆「新規購入した時点では排出量が増えるが、省エネ効率の良い家電を長く使えば排出量は削減できる。必要な家電をどうやって省エネ効率の高いものに替えていくかが重要」と主張。
(※毎日新聞からの抜粋編集ここまで)
この記事を読んだ感想は「どちらの考え方も一理あり」である。
要は、会計検査院は「新たな家電を買わなくても生活できていたのに、制度により、余計な家電購入が増え、二酸化炭素が増えた」といい、環境省は「長い目で見れば、制度により省エネ効率の良い家電に切り替わったので、二酸化炭素は減る」と主張しているわけである。
つまり、少なくとも単年度で考えれば、会計検査院の主張の通りである。
また併せて、環境省は、
◇切り替えされた家電がどの程度の年数を使用することで、トータル的に二酸化炭素が減ったと言えるのか?
◇2台目として新規購入された家電がどの程度、稼働しているのか?
◇2台目以降として購入された家電も、どの程度の数量がいずれ購入されるべきものであったのか?
といった点を試算・調査・評価しなければ、会計検査院の主張に対して反論することはできない。
私としては「家電」に限らず、「利用頻度に応じたエコ」があると考えている。
たとえば、自動車。
ハイブリットカーや電気自動車をはじめとしたいわゆる「エコカー」であるが、「利用頻度」(ライフスタイル)という点を考慮しなければ「エコ」は論じられないと思う。
つまり、事例を挙げれば、
◇年間2~3万キロ以上、車を利用する人
◇年間1000キロ未満しか車を利用しない人
により、「エコカーに買い替えた方がエコ」か「現在のクルマに長く乗り続ける方がエコ」と考えるべきか違ってくる。
要は「クルマ利用者のカーライフスタイル」によって、「買い替えがエコ」なのか「長く乗り続けるがエコ」なのか、利用者的にも、ライフサイクルアセスメント的にも、社会全体としても違ってくるのだ。
ざっくりした言い方をしてしまえば、私たちは今さら「文明社会からの離脱」をすることはできないわけだから、「トータルコスト」として自らの理屈を構築し、「何がエコになるのか」を判断するしかないと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ303号より)
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