いろいろな会社さんとお付き合いしていると、「この会社は、さすがだな!」と感じるケースや逆に「えっ?!、ちょっとセンスなさすぎじゃない?」と感じる場面がある。
「ちょっとセンスないよなぁ」というシーンで思い出されるのが、ある大企業の上級役員の方と地方に出張した時のことだ。
この会社では、もともと全国的に業務改善活動に取り組んでいて、私は、その活動に途中から参加し、支援をさせていただいていた。
業務改善活動から数年経過した時に、その会社から「地方事務所での業務改善への取組の現状を見て気がついたところをアドバイスして欲しい」と要請があった。
普段の指導は、東京本社の事務局に指示することが多いので、地方事務所はなかなかお伺いする機会が予算的にも計画できていなかったので、「業務改善への取組の浸透度」を確認する上でもいい機会だな、と思った。
しかも、この出張には、上級役員が同行すると言う。
上級役員曰く、「先生とゆっくりお話しする機会も今まで少なかったので、移動中(飛行機)や夜の食事の席でも、マネジメントに関して他業種の事例やお考えをご教授いただきたい」とおっしゃられた。
もちろん、私に対しては、半分以上はお世辞で、自らが管理担当となっている地方事務所の様子を自分もこういった機会に見ておきたい、という考えもあっての同行だったのだろう。
行き帰りの航空券は、上級役員が「うちで手配しておきます」とのことだった。
出張当日、本社で上級役員と合流し、空港までの車中も話が弾んだ。
そして「先生、話の続きは飛行機の中でお伺いしましょう!」となり、搭乗手続きをすると上級役員の座席はビジネスクラス、私の座席はエコノミークラスだった。
私は、内心「経費削減を指導している立場だから、お客さんが用意してくれたグレードの座席に不満は言えないよな」と思った。
しかし、搭乗手続きから搭乗するまでと、飛行機を降りて再合流するまでの上級役員とのバツの悪いことと言ったらなかった。
おそらく、役員からの伝聞で航空券手配を依頼された担当部署の人は「役員→社内規定によりビジネスクラス」、「コンサルタント→経費削減が叫ばれているのでエコノミークラス」という判断を単純にしたのだろう。
しかし、国内線のビジネスクラスだから、差額は数千円と多額ではない。
「役員とコンサルタントが一緒に出張する」状況を的確に想像できたのなら、どのような航空券を確保すべきか、自明である。
こんな時にこの会社の「センス」が垣間見えてくる。
その他の例としては、昔から付き合いのある大企業にアポなしで訪問した時にもセンスは垣間見える。
もちろん、「アポなし訪問」だから、「訪問する側の行為」としては少し失礼なことではある。
しかし、あらかじめアポを取っている時は、相手側もそれなりの準備をしてある。
(※たまに、アポを取っているのに、この人だれ?的な受付対応する会社があるが、そういう例は論外)
だが、「アポなし」で訪問した時に、その会社のセンスの真価が問われる。
チェックポイントは、「訪問時の受付の対応」「通される部屋のレベル」「応対者の対応」などだ。
これらをチェックすることで、「業務改善に対する取組やそれを担当している私がその会社でどんな位置付けで捉えられているのか」がなんとなくわかる。
コンサルタント仲間の中には、訪問前にその会社の店舗でお客様となってサービスを享受し実態をチェックしている人もいる。
これも、あらかじめ決められた店舗訪問だと、訪問される側がいろいろ準備をしてしまうからだ。
こういった「会社のセンス」は、業績など数字で表しにくく、計画された訪問やインタビューの中ではなかなか見えてこない。
しかし、ちょっとしたことで、本来の姿や本音がなんとなくわかってしまうから面白いのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ226号より)
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