昔からの友人に会うと、必ず聞かれるのが「どんな仕事をしているの?」だ。

そんな時は「企業の経営者や管理職から経営課題について相談を受けてアドバイスする仕事だよ」と、とりあえず答えている。

私のような「経営コンサルタント」は、特定分野の技術アドバイスに長けている「技術士」さんと違い対応させていただく業種はさまざまだ。

だから、今まで、企業内研修を含めてコンサルティングなど経営に関わるアドバイスさせていただいた企業は、機械、電気電子機器、金属加工、化学製品、食品製造業などのいわゆる「もの作り企業」はもちろん、学習塾や教習所といった教育機関、トラックやタクシーなど運送業、保険サービスやビルメンテナンス、警備業などのサービス業、結婚式や葬儀など冠婚葬祭業など、振り返ると、相当幅広い。

ただ、経営課題を抱える企業から、人づて、あるいは、直接、コンサルティング依頼を受けて、打合せをしている際に、その後「自然とコンサルティング依頼が来ない」あるいは「私の方が合わないな」となる「企業」(要は、コンサルを受注しない企業)がある。

それはどんな理由なのか?

◇企業規模?

◇企業側担当者との性格?

◇研修やコンサルティング費用?

・・・

もちろん、上記が「失注」理由であることもある。

しかし、「自然とコンサルティング依頼が来ない」あるいは「私の方が合わないな」となる企業で多いのは、

◇自分の代(あとせいぜい10年)で会社をたたんでもよい

◇儲けるだけ儲けたら会社はつぶれてもいい

◇業務が個人の能力に極端に依存しているがそれでいい

◇社員はトップの指示に単に従う存在

と考えるような企業である。

というのも、私のコンサルティングテーマは、

【企業を長生きさせるためにやるべきことアドバイスする】

ことであるからだ。

したがって、企業を指導する上での「キーワード」は、

◇「属人化」した業務の排除

◇社員ひとりひとりが問題意識を持つ社風

◇業務の標準化

◇マネジメントシステムの確立と継続的改善

◇リスクの明確化とその対策

◇論理的思考

などである。

つまり、いい方や表現は悪いが、

◆社員は創業家の小作人である

◆社員が問題意識を持つことは屁理屈ばかり言うようになって扱いにくい

◆社員は育てずとも代わりはいくらでもいる

◆法令順守とは「抜け道」を見つけるもので、本質的に守っていたら仕事にならない

◆ビジネスは「稼ぐが勝ち」が全てである

◆ズル賢い&損しない「方法論やノウハウ」を教わりたい

という思想が根本にある企業や経営者は、自然と、私に指導を求めてこない(笑)。

私は「打ち合わせている時は、お客さまに対して、過激な表現は使わない」のですが、なんとなく、「打ち合わせている時の話しぶりや雰囲気・表情」で上記の思考を持つ経営者には、私の「コンサル方針」が伝わってしまうようなんですね。

それにしても、

『企業を自分の代だけでなく、息子や孫、あるいはその世代までお客さま支持され、社会と共生することで共に求められるる組織体制を作り、会社を長生きさせたい』

と考えているにもかかわらず、「社員の問題意識向上」を目指さず「稼ぐが勝ち」「「社員は育てるな取り替えろ」思考を好む経営者が多いのは、驚きである。

「稼ぐが勝ち思考」や「社員は育てるな取り替えろ思考」のリスクとは、問題点を明確にして、改善し、ノウハウを組織に蓄積するといったことがしずらいことだ。

要は、「結果を出すまでのプロセス」を重視しない傾向があるので、最悪「手段を選ばずなんでもあり」となる。

つまり、これらの発想は、すべて「一時的な成功は望めても、企業が長生きするためにとってはリスクである」ということに気づいていない。

また、意外と「うちの社員は問題意識が足りない」といいながら、「いい意味でのうるさ型社員」の存在を嫌う経営者も多い。

経営者がそういう姿勢だから、社員は「ものを言わない方がトク」と考えるようになるだけなのに。。。

話は逸れるが、先日、約10年ぶりに以前、マネジメントシステム監査で訪問したことがある企業の3代目から連絡をいただきました。

マネジメントシステム監査は「委託業務」なので、「自分の会社の名刺」は差し出していないのですが、聞くと、ネットで検索して連絡をくれたそうだ。

連絡をくれた理由が、

『監査の際、的確なご指摘を頂き、なるほどと納得出来ましたからです。また会長(当時の社長)も指摘事項に対してうなずき、時として痛いところをつかれたな、という顔をしいていましたから。将来(私が経営者になった時)きっと困った時に良いアドバイスを頂けるのかなと思っていました』

だからなのだと言う。

「監査を通じて伝えたいこと」が「伝わっていた」と感じた瞬間だった。

意外と、こういう反応は「監査後のアンケート」では書いてくれない(というか、書くと監査員が監査で無くアドバイスしているように取られるので書かない)のでわからない。

まだまだ、「マネジメントシステムの確立の重要性と継続的改善」について、アドバイスさせていただくべき余地があり、望まれる企業もゴマンとあるんだなぁ、とつくづく思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ274号より)


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