2012102日、3年ぶりに北海道日本ハムファイターズがパシフィックリーグを制した。

ファイターズが優勝したことで注目されているのが栗山英樹監督だ。

栗山監督は、現役時代、テスト生でヤクルトに入団し、プロ選手を実働7年しか経験していない。

タイトルと言えるものも、守備の名手に贈られるゴールデングラブ賞を獲得した程度の実績しかない。

現役を引退した後は、スポーツキャスターと大学の先生をしていて、プロのコーチ経験もなく、20年以上現場を離れていた。

そのため、評論家たちからの開幕前のファイターズの下馬評は低く、優勝を予測した人は少なかった。

では、栗山監督が成功した要因をいくつか上げてみたいと思う。

【負けた時はオレのせい、勝った時は選手のおかげ】

栗山監督は、

◇ひいき目に人を見ない

(例:キャンプでは全員にチャンスを与え、ナイター前の2軍戦視察を欠かさない)

◇舞台裏でも態度は変わらず、結果が出なくても選手のせいにしない

◇現場経験の長いコーチ陣と対話を重ねる

のだという。

つまり、「反省はすれど、後悔はしない」が栗山監督のモットーだというように、

『いつも一番いいと思った選手を使っている。結果はしようがない』

とその時その時のベストの選択をとっているから、頭と気持ちの切り替えが早いのであろう。

【野球界全体のことを考え、お客さんを楽しませる】

栗山監督は、

◇実績が少ない2年目の斉藤佑樹投手を開幕投手に指名した

◇打てなくても中田翔選手を4番で使い続けた

ことがよく話題にされる。

これは、

◇目先の勝利よりもファイターズの将来やプロ野球界にとって大事なことは何か

◇お客さんは何を楽しみに球場に足を運んでくれているのか

◇勝っても負けてもお客さんが納得する試合とは何か

を常に考えた采配をしているからだろう。

【常に選手に気を使う】

栗山監督は、

◇選手全員との対話を繰り返し、発奮させる言葉を掛ける

◇練習中に選手がけがしないよう、自らトンボを手にして整備をする

◇食堂では食事をせず部屋にこもって食べる

(監督が食堂にいると選手は気を使ってリラックスできない)

◇選手のロッカーにも立ち入らない

(監督がウロウロしていると選手が委縮する)

◇決まった時間に記者会見を行う

(違ったことをすると選手はそれを敏感に感じて気にする)

といったことに心掛けていたという。

これは、「選手が主役なのだから最善の状態で試合に挑める」態勢作りをすることも監督の役目と考えていたからだろう。

このように、栗山監督の成功要因を上げてみると、

◇選手の状態を常に把握し、指導自体は現場コーチに任せている

◇選手との対話を重んじ役割をきっちり理解させる

◇選手がベストの状態で試合に臨めるような環境をつくる

◇選手起用は最善の方法を選択する

◇スターになるべく選手は目先の結果よりも将来を見越して起用する

といったことだろう。

「選手」を「社員」、「コーチ」を「中間管理職」と置き換えれば、ビジネスの世界の「組織論」としても応用ができることであるだろう。

さて、いよいよクライマックスシリーズが始まる。

144試合を戦うペナントレースと短期決戦の戦い方は違う、と言われている。

栗山監督の口癖には「毎日が決勝戦」という言葉がある。

短期決戦のクライマックスシリーズをどのように戦うのか、見ものである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ301号より)


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