2012年9月20日付の時事通信の報道によると、中国における反日でもで被害を受けた日本企業への保険金支払額が数10億円~数100億円に上るという。
記事によると、
◇日本損害保険協会の柄沢康喜会長が20日の記者会見で支払額の見通しを明らかにした
◇暴動による被害は通常、火災保険の補償対象外
◇しかし、特約で保険金が支払われる場合がある
◇柄沢会長は「多くは支払対象となっている可能性が極めて高い」と指摘した
という。
損害保険業界は、昨年はタイの洪水により被害を被った多くの日系企業からの保険金請求で多くの損保会社の収益に圧迫を与えた。
そして、今年は中国での反日デモである。
今後、火災保険の掛け金や支払い条件が厳しくなるのではないだろうか。
中国での反日デモといえば、反日デモが行われた9月14日から15日にかけて、上海の地元警察が「尖閣諸島が中国固有の領土であることを支持する」との内容の紙をユニクロ店舗に貼るよう指示し、これを受けて約40分間中国人店長が独断で紙を貼り出したという。
ご存知のように、ユニクロは、会社として「政治・外交問題に関与しない」方針をとっている。
しかし、15日正午頃になって、デモの参加人数が1000人以上に膨れ上がり、「もっと大規模なデモが来る。直ちに貼るように」と強い口調で言われたため、デモ隊が通り過ぎるまでの間、「支持釣魚島是中国固有領土」と書かれた貼り紙ショーウインドーに貼り出したという。(9月20日付の読売新聞の報道より)
この報道を受け、ネット上では、ユニクロに対する批判の声が強まっているという。
知人の中には「ユニクロ不売運動がおこるのではないか」と予想している人もいるが、私は「客層の多くは反日デモ騒動関連ニュース」について関心が薄く、不売運動は少なからずあったとしても、殆ど影響はないとみている。
日本のメディアは、「中国の反日教育によりモンスターを作りだしてしまった」というような論調で、デモに関しては中国政府も手をこまねいている・・・というような報道をしている。
しかし、基本的には、私は「中国の自作自演」だと考えている。
つまり「人民によりそれぞれの出来事が自発的に発生した」ように見せかけて、実際は政府が「自発的に発生」するようにお膳立てしているのだ。
要は、「反日教育」「漁船団の尖閣諸島への派遣」「反日デモ」・・・すべて中国の戦略のひとつなのだろう。
現に、反日デモについて、参加した人の中から「100元を渡された」という証言も出てきている。
「自作自演」と言えば、もともとは日本のお家芸である。
満州事変の発端となった柳城湖事件は日本軍の自作自演。
中国で今、起きている出来事は、おそらく、中国の長期的な国家戦略の中のシナリオのひとつなのであろう。
方法論はともかく、日本政府には、中国政府のような「国家戦略に対する長期ビジョン」が存在しているのかな、と思ってしまうのである。