2012年9月18日付の時事通信によると、2013年3月10日に開催される名古屋ウィメンズマラソンが国際陸連によるロードレースの格付けで最高位の「ゴールド」にランクされることが決まったという。
日本のマラソン大会で、「ゴールド」に認定されているのは、東京マラソン、びわ湖毎日マラソン、福岡国際マラソンがあり、名古屋ウィメンズで4つ目であるが、女子のみの大会では名古屋ウィメンズは、最高位にランクされるらしい。
名古屋ウィメンズマラソンは、それまで開催されていた「名古屋国際女子マラソン」を発展的に解消し、昨年から「名古屋ウィメンズマラソン」として生まれ変わった。
去年の大会は、完走者全員に「ティファニーのアクセサリー」がプレゼントされると言うこともあり、申し込み開始からすぐに定員に達した人気の大会である。
2012年大会の国際陸連のロードレースの格付けは「シルバー」だったから、ワンランク上がったのだ。
ちなみに、国際陸連のロードレースの格付けは毎年変動があるようで、
◇賞金額
◇大会の国際性
◇招待選手のレベル
◇テレビ放映規模
◇公認計測係によって計測されたコース
◇記録車
◇ドーピングテスト
◇取材陣の対応
などの評価項目があるらしい。
例えば、「大会の国際性、招待選手のレベル」については、
◇エリートランナーが少なくとも男女5カ国から参加
◇招待選手は、男子マラソンならば2時間10分30秒、女子は2時間28分00秒、ハーフならば男子は61分30秒、女子は71分、ロード10kmは28分10秒、女子が32分10秒
(ゴールドクラスの場合)
といった基準のようで、なかなかハードルが高い。
日本で開催されるフルマラソンを参加者の規模だけで見れば、「東京マラソン」「大阪マラソン」「かすみがうらマラソン」の順番で参加者数が多いが、大阪マラソンやかすみがうらマラソンはエリートランナーとその参加国数に関してはまったく基準を満たしていない。
個人的には、『大会の質』に「コース条件」「気象条件」「給水所、案内所、救護所などの大会運営」「公認計測係による計測」といった項目は、世界各地で開催されるマラソン大会の質を向上させるために必要だと思う。
しかし、エリート選手の参加者数やテレビ放映といった項目はメジャーなエリート大会の質向上には寄与しても、市民ランナー中心の大会の質向上にはあまり関係ないよなぁ、と思う。
評価項目と基準の良し悪しはともかく、陸上競技の中で、ロードレースだけが、以前は「標準化」されていない種目だったので、各大会運営者が、悪くいえば好き勝手に、よくいえば、個性的に大会が運営されてきた。
「マラソンがブームになること」=「文明のバロメーターのひとつにもなる」と言われている。
確かに、貧しく、食生活に飢えていれば、「からだを動かす」という発想は生まれにくいであろう。
大会のルールが標準化されるということは、それだけ競技人口が増えたということであり、世界の文明レベルが向上している証拠なのかもしれない。