2012913日付の毎日新聞の報道によると、「文部科学省は“実態が把握されていない”ことを理由に子供の自殺件数の統計調査を中止することを決定」したという。

記事によると、

913日に文部科学省は、子供の自殺件数の統計を来年の調査から中止する

◇調査を中止するのは、全国の小中高校を対象に毎年実施する「問題行動調査」

◇遺族の意向などで学校が教育委員会に自殺を報告しないケースがある

◇今後は各校が実施する実態調査をもとに、医師や弁護士で構成する省内の有識者会議で予防策を検討する

◇文科省が11日に公表した調査結果では自殺した人数を200人(11年度:43月)としたが、警察庁の統計では353人(11年:112月)と乖離が指摘されている

という。

記事を読んだ感想としては、

◆「文科省の調査は実態とかい離しているから意味がない→廃止」でいいのか?

◆「遺族への配慮」はわかるが「個人情報を伏せて調査すること」は可能なのではないか?

◆文科省の調査を止めるのであるなら、実態把握の数字は警察の数字に頼るのか?

◆各校の実態調査を基に予防策を検討するのは大いに結構なことではある

◆ただし現場から離れたところで議論が行われる「有識者会議」の予防策は有効なのか?

◆自殺件数の調査をせずに「予防策の有効性」を検証することはできるのか?

◆「有識者会議」が「文科省も自殺対策をしています」という単なるセレモニーになりはしないだろうか?

といったことがすぐに浮かんだ。

記事の内容だけで判断しているので、文科省の調査中止の経緯と今後の子供の自殺対策に対する方針がよくわからない。

また、一番心配なのは「文科省はどうやって自殺対策の有効性を検証」するつもりなのだろう?

それにしても、メディアは、一般的な国民の立場で取材し、疑問点を取材対象者に確認して報道するべき存在ではないのだろうか?

つまり、「文科省から発表された情報」を垂れ流すだけでなく、私が上記で挙げたようなことを文科省に質問した上で記事を書いているのだろうか?・・・と思う。

単に「政府が発表したこと」を報じるだけなら「小学生の夏休みの日記や壁新聞」レベル以下である。

「記者クラブ制度に守られた大手メディア」が「単なる政府の報道機関(大本営発表発信組織)」とならない事を私たちは注力して報道される情報をチェックしていくという認識が必要かつ重要なのであろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ298号より)