北海道札幌市の食品会社「岩井食品」が製造した白菜の浅漬けが原因で起きた腸管出血性大腸菌(O-157)の集団食中毒での死者が816日で合計6人になったという。

この結果、現時点で、死亡者6名、下痢などの症状を訴えている人は100名を超えているという。

メディアの報道によると、

◇食中毒を引き起こしている白菜の浅漬けは729日、30日に製造されている

◇高齢者施設の他、食品スーパーやホテルなど48か所に納入されている

◇原材料の白菜やニンジン、キュウリが感染源の可能性が高い

◇製造工程の塩素系洗剤で原材料を洗う工程での殺菌が不十分であった可能性が高い

ということが現在分かっている。

それにしても、亡くなった方が、体力の弱い高齢者が多いとは言っても、死者の数では、20114月に「焼肉酒家えびす」による「ユッケ集団食中毒事件」(117人が食べ、5人が死亡24人が重傷)より今回の食中毒の方が上回ったことになる。

しかし、メディアの報道は、「焼肉酒家えびす」の時より、大騒ぎになっていない気がする。

この違いは何なんだろう?と思う。

勝手な憶測であるが、

◇謝罪会見で岩井食品は無難に謝罪している

◇「焼肉酒家えびす」の勘坂社長の逆ギレ会見などがメディアの注目を増幅させた

という結果が影響しているのだろう。

ふたつの食中毒事件を比べると、ユッケの食中毒では、報道が過熱し、「えびす」への避難も高まり、最終的に運営会社のフーズ・フォーラスは倒産し、その後「レバ刺し」は食品衛生法で提供が禁止される法改正となった。

しかし、おそらく岩井食品は倒産することもなく、「白菜の浅漬け」が「危険な加工食品」として位置づけられることはないだろう。

このように考えると、亡くなった方には申し訳ないが、つくづく問題発生後の「謝罪会見」をマスメディアの餌食にならないよう、如何に乗り切るか、が「問題を必要以上に大きくさせないポイント」であることが分かるのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ294号より)