「環境経営」に取組んでいる多くの企業の意識として、最近、ようやく「エコ活動主体の活動」から脱却しつつあるな、と感じる。
多くの企業やプライベートの友人・知人と話していて感じるのは、まだまだ「環境への取組み=単純なエコ活動」という認識が世間の大半である。
しかし、企業が「環境経営」に取り組む場合は、それだけでは「キャンペーン活動」と一緒で「一過性のもの」、つまり「環境」が「真の経営管理のひとつとして溶け込んだもの」ではない。
少し大雑把な言い方をすれば、環境経営とは、
突き詰めれば、
1)顧客重視
(顧客満足を向上させる)
2)マネジメントシステムの継続的な改善
(仕事のやり方を継続的に見直す=“環境”と関連付けて業務改善、および、法規制順守、緊急事態や事故を含めたリスク管理体制を構築する)
ことを通じた組織の成功ストーリー
である。
つまり、組織が環境経営を導入した場合、最終的に目指すべき姿は、
◇環境経営システムを活用し、強固な経営システム、経営力を確立すること
◇地域企業とともにその組織が持つ使命を果たしていく中で社会的貢献をしていくこと
なのである。
ある大手の車のディーラーが環境経営に取組んでいるのであるが、聞くところによると、「環境経営に取組んだメリット」は、
◇職員のコスト意識が高まり結果として経費削減につながった
◇直接または関連する法規制や業界規範などに対する認識とコンプライアンスが向上した
◇人材の育成、業務システムの改善など経営力強化に繋がった
という点が特に顕著だったという。
だが、まだまだ多くの人が「環境経営」ということに対して抱く認識は「エコ」である。
しかし、特に、企業経営の場合、あくまでも「社会の中で果たすべき本来の使命」がある。
したがって、「環境経営」もあくまでも「経営」なのだから、本来は「企業が有する社会的使命を満たしていく延長線上」で取組みを考えなければ、意味がない。
もちろん、本業以外の、例えば、「環境団体への寄付」や「植樹活動」、「地域ボランティア活動」、「生活レベルの単純な省エネ・省資源」が悪いわけではないが、「それだけ」が世間的には多すぎるのだ。
少し前に、「環境経営に取組む小規模な専門商社」に訪問した。
その商社は損害保険代理店資格も有している組織で、「環境経営に積極的」であった。
具体的には、例えば、
◇お客さまに省エネ・省資源に繋がる環境対応型商品を積極的に勧めている
◇お客さまに定期的に「エコニュース」を発信している
◇取引先やお客さまに、季節毎の事故や災害の未然対策情報を発信している
◇取引先やお客さまの業種業態に合った「事故・災害防止、法規制順守」の助言をしている
◇自動車事故が発生しているお客さまにドライブレコーダーを装着して、運転診断や診断結果に基づくドライビングのアドバイスをしている
◇お客さまや取引先に対して環境経営の導入を促している
◇地域(町内会、保育園など)と協働して植樹、清掃活動を実施している
といった活動を通じて、関係者に対して、組織の業績や信頼感を向上させていたのだ。
徐々に「本業が有する社会的使命」を果たしていく上での環境経営への取組みを実施している企業が増えてきていて、いいことだな、と思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ291号より)